津山文化センター(3)

津山文化センター(外観)津山文化センター(内観)津山文化センター(建物の歴史的評価)

This is Japan

▲This is Japanという本に紹介してあります。津山文化センターは、いろいろな建築雑誌やWEBでも「国宝級」などと紹介されているくらい有名です。


屋根のない斗きょう建築と、天守閣のない城跡。欠落したもの同士だが、絶妙なランドスケープだと。

▲This is Japan

昭和モダン建築巡礼(西日本編)

この本には建築への愛がある。橋爪紳也(大阪市立大学教授)

行きたくてもなかなか行けない地方都市の名建築。2006年10月30日に日経BP社より発行された本です。

著者:磯 達男さん

イラスト:宮沢洋さん


屋根のない斗きょう(ときょう)建築と、天守閣のない城跡。欠落したもの同士が並ぶことで絶妙な景観が出来上がっている。
外壁のコンクリートの打ちっ放しがきれいなのは、長く張り出した軒が雨が壁にかかるのを防いでくれているからです。

▲津山文化センターが

紹介されている本
・昭和モダン建築巡礼(西日本編)
一部を紹介してみますと
1965年に川島甲士氏により設計され、建物は本館と展示館からなり、特徴的なのは本館の外観で、深い軒が三重に巡り、上にいくほど広がっている。軒を支える構成は日本の寺院建築に見られる斗きょう(トキョウ)のよう。伝統的なデザインを鉄筋コンクリートの建築に取り入れ、日本建築とモダニズムの融合した建物だそうです。
津山文化センターの設計は、城との関係が第一のポイントだったようで、「城壁の圧倒的量感と、なだらかな曲面に対応させ、市民のシンボルとなる」事が意図されていたようである。

▲コンクリートの「第三の道」

▲日本的RC四天王

▲軒のあるコンクリート建築

▲茶目っ気たっぷりのディテールがあちことに。

日本の現代建築

▲日本の現代建築(1958-1983)鈴木博之著

発行者:加藤勝久

発行所:㈱講談社
津山はかつて城下町であったが、明治初期廃藩置県で城は城壁を残し取り壊された。津山文化センターはこの城址に計画されたのもです。

▲この建物では伝統的な日本建築にみられる斗きょう組のモチーフが採用された。

津山文化センターでは、日本の伝統的建築における架構の意味が正しく把握されたうえで、日本的モチーフが採用されている。

※斗きょう(ときょう)=斗(ます)や肘木(ひじき)を組み合わせ、柱の上にのせて軒を支える装置を組物または斗きょう(ときょう)といいます。

do.co,mo.mo japan

アジアからは日本がはじめて支部として2000年ブラジリアで開かれた第6回大会で承認を受けました。

「日本におけるモダン・ムーブメントの建築115選」に津山文化センターが選ばれる。
「モダン・ムーブメント」は「18、19世紀に端を発する合理主義的・社会改革的な思想や技術改革をベースに、線や面の構成による美学に基づいて、40年代から世界中で作られはじめた建築」を意味し、日本でもその影響を受けたデザインが試みられています。
2006年8月に津山文化センターが115選に選ばれる。

選ばれた基準は
1.装飾を用いるのではなく、線や面の構成による美学が適用されている。
2.技術の成果がデザインに反映されている。
3.社会改革的思想が見られる。
4.環境形成(広場や建築群の構成)という観点でデザインされている。
ということだそうです。
115選の中には大原美術館分館、出雲大社庁の舎、神戸ポートタワーなどが選ばれている。


DOCOMOMOとは
正式名称を「Documentation and Conservation of buildings,sites and neighborhoods of the Modern Movement」(=モダン・ムーブメントに関わる建物と環境形成の記録調査及び保存のための組織)といい、20世紀の重要な潮流であったモダン・ムーブメントに属する建築や都市を対象に、建物や図面・資料の保存を提唱して活動する唯一の国際的な非政府組織(NGO)です。
その特色は、各国と地域に支部があり、パリにあるDOCOMOMO Internationnal(本部)と連携しながら、自主性と独自性を尊重しつつ活動しています。

DOCOMOMOは、1990年、オランダのアイントホーヘン宣言「DOCOMOMO憲章」の精神に則って運営され、現在西ヨーロッパ諸国を中心に約40の国や地域が支部をつくって参加しています。