「棟方志功・まぼろしの初期作品集展」M&Y記念館

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2F展示室 特別企画展 「棟方志功・まぼろしの初期作品集展」
3月31日(土)~9月30日(日)
 今回の企画展では、処女版画集である『星座の花嫁』をはじめ、初の裸婦作品集となった『ヴェニュス生誕』、今回発見され、「開運!なんでも鑑定団」にも登場した幻の作品集『季節の花籠(草稿)』など、初期の貴重な棟方志功の版画作品集を一同に展示しています。


 「季節の花籠」は、不動明王に始まり、不動明王で終わる作品集で、河井寛次郎に学ぶ以前の志功の仏教観をはじめとする様々な心象、題材、表現手法が各作品にテーマとして現われており、将来の棟方作品を見事に予感させてくれます。
 昭和初期、棟方志功が、貧困の中で試行錯誤しながら版画に取り組み、自身の作風を確立して行くまでの過程が良くわかる作品展です。入場料:500円(1F企画展もご覧になれます。)
文:棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)提供

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2F展示室 特別企画展 「棟方志功・まぼろしの初期作品集展」
3月31日(土)~9月30日(日)
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                                 ▲行方不明の作品のコピーだそうです。
◎季節の花籠(全二一柵)  1934(昭和9)年  板画
上段左より
表・御不動   装画A(七姫十四手)  装画B(翳手八景)
群れる鶴    柵のある鶴    春天・迦陵頻伽(乙女椿)
夏天・迦陵頻伽(杜若花)  秋天・迦陵頻伽(鶏頭花) 季節の花籠A
棟方志功初期の幻の作品集「季節の花籠」の草稿(3作欠落)です。この作品には将来の棟方の作風やテーマ性、仏教感などがちりばめられており、棟方作品の原点がうかがえます。国内初公開となります。
◎季節の花籠(全二一柵) 1934(昭和9)年  板画
上段左より
裏・御不動  季節の花籠B(夏籠の譜)  季節の花籠C(秋籠の譜)季節の花籠D(冬籠の譜)  野火A(発火延々)  野火B(雉子子飛躍)    春山(八甲田山々腹)  夏山(夏泊山々腹)  秋山(恐山々腹)  冬山(龍飛山々腹)
裳鳥会は、秋朱之介が設立した限定本の出版社です。秋は「ヴェニュス生誕」に続いてこの作品集を企画も、予約が集まらず幻の作品集となりました。作品は雁皮紙の原稿用紙に摺られています。
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◎星座の花嫁(全十柵) 1930(昭和5)年  板画
上段左より
貴婦人と蝶々  ベチレへムに聖堂を観る  聖堂に並ぶ三貴女
棟方志功初の版画作品集(100部限定)です。現在、国内に5~10組程度しか残っていないと思われる貴重な作品集です。一番右にある棟方の蔵書票には「五七号」と書かれています。
◎星座の花嫁(全十柵) 1930(昭和5)年  板画
中段左より
貴女等・聖堂を出づる    星座の絵    花か蝶々か
大正14年、第5回国画会展に出展された川上澄生の「初夏の風」を観て感動したことから、棟方は版画への道を歩むことになります。
◎星座の花嫁(全十柵) 1930(昭和5)年  板画
下段左より
貴女等・帚星を観る    貴女・裳を引く   貴女行路
この作品集では川上澄生の影響を受け、まだ志功自身の作風が現われていないことがわかります。作品も多色刷り版画となっています。
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◎ヴェニュス生誕(全九柵) 1934(昭和9)年  板画
上段左より
表    飛行絨緞    ヴェニュス生誕
堀口大學の詩集「ヴェニュス生誕」発刊の際、製作されたものです。発行元は棟方に惚れ込んだ秋朱之介が設立した裳鳥会。発行数は450部でうち50部が特装版として出版されました。
◎ヴェニュス生誕(全九柵) 1934(昭和9)年  板画
中段左より
乳房    或る数字    かの女の帯
棟方自身は快作と考えていましたが、堀口大學は、もっと上品な絵がほしかったといいます。
そのため、秋は苦肉の策として別冊として出版したものです。
◎ヴェニュス生誕(全九柵) 1934(昭和9)年  板画
下段左より
ダンデルの渚    溺死    裏
これらの作品は棟方初の裸婦作品となります。この作品は彩色が施されていますが、彩色されたものは珍しく、全国で3点しかありません。


○1F展示室 企画展
「シリエトク(大地の涯て)-世界自然遺産・知床-」末澤雅彦写真展
前期=3月31日(土)~4月27日(金)、後期=4月28日(土)~5月27日(日)
ギャラリートーク:前期=4月22日(日)、後期=4月29日(日) ともに14:00~15:00
入場料:500円(2F企画展もご覧になれます。)

 末沢さんは北海道旭川生まれのプロカメラマン。1995年より北海道の道東の自然に魅せられて写真を撮り始めます。1998年には動物写真家の故・星野道夫氏と共に北海道内で作品を撮影。1999年には初個展「DREAM NATURE」を開催。以後、各地にて個展を開催しています。
2006年より津山市に移り、現在は、和牛とポニーを飼育し耕作放棄地再生と自然循環農法に取り組みながら、岡山県内の自然を撮影しています。
1996年~2001年まで「山と渓谷社 ネイチャーフォトコンテスト年間賞(各賞)」を毎年受賞。2006年には「よみうり写真大賞」を受賞。
 今回の写真展では、世界自然遺産・知床に広がる大自然の風景や生命の輝き、四季のうつりかわりを楽しんでください。
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 また、ギャラリートーク、カルチャー講座「プロが教えるカメラテクニック(初級編)」(有料、内容は下記)も予定しています。
○カルチャー講座
「プロが教えるカメラテクニック(初級編)」・・・末澤雅彦さんの写真教室
日時:5月20日(日)、6月3日(日)、6月17日(日)、(各13:00-16:00)の3回講座
場所:リージョンセンター(講義)およびグリーンヒルズ津山周辺(撮影)
受講料:一般13,000円、M&Y記念館会員12,000円

主催:棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)、IMA企画
申込・問合せ先:棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)0868-27-3239

写真教室チラシ(最終).pdf
(申込者の方にはM&Y記念館の入場券2枚、「出張!なんでも鑑定団in津山」観覧券1枚をプレゼントいたします。)
定員:20名
「きれいな写真が撮りたい!」と思っている人は多いはずです。
ほんのちょっとしたテクニックで、あなたの写真がプロ顔負けの写真に大変身します。
カメラはあなたの持っているデジカメで大丈夫です。
風景写真で数々の賞を獲っているプロカメラマン末澤雅彦さんが、わかりやすく、やさしく、きれいな写真を撮るための「コツ」をアドバイスしてくれます。
講座終了時には、受講中に撮った作品の引き伸ばしプリントをプレゼントします!


○「まじょりん」さん被災地応援ライブ&レポート
 まじょりんさんは今回の東日本大震災で罹災した福島県相馬市から岡山県に避難をしてきているミュージシャン兼整体師兼アーティストです。
東北地方の被災地支援にがんばっているまじょりんさんのミニライブ&現地レポートを今年も行ないます。
日 時:4月30日(月)14:00~15:00
場 所:棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)
参加費:1000円(参加費はすべてまじょりんさんの被災地支援活動費となります)
問合せ:棟方志功・柳井道弘記念館(M&Y記念館)まで 08687-27-3239