【津山人】津山生まれでパリ在住の画家・桜井由子さん

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2013年9月14日(土)~10月27日(日)まで、鏡野町生まれの彫刻家・桜井敏生さん (72歳)、津山生まれでパリ在住の画家・桜井由子さん(42歳)。石彫と油彩というまったく違った素材による二人の初の親子展が棟方志功・柳井道弘記念館 (M&Y記念館)にて行われています。(10月27日(日)迄開催)

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桜井由子さんを迎えてのアーティストトーク(日時:9月・21(土)14:00~15:00)

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親子展の様子はこちらから
この本の見開きページの真ん中に描かれている黄色は津山を表したものです。「津山は私の地盤です。小さいころから夏休みには帰ってきては、いとこ達と共に生活をしました。津山は私自身のエッセンスで、大切な所であり、私のふるさとだと思っています。」

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「制作において偶然性を追求しているのは備前焼とも似ていて、偶然性と必然性を一緒にしている。」と桜井さん

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この牛は鏡野町生まれの彫刻家・桜井敏生 (72歳)さんの作品です。

10年くらい前に敏生さんが病気を持った後に作られた作品。役目を終えた馬の体はボロボロだけど、乳房はパンパンに張っている牛、老いた牛でもまだ子どもを作ろうとする生命力を表しているそうです。

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東京生まれ 津山移住の画家、飛鳥和子さんも熱心に質問されていました。

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飛鳥和子さんと八木泉さんのお二人は津山在住の画家さんです。

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夢は、オブジェクトの様な立体的なものを作ってみたいそうです。そして、感性を保つためにシンプルに暮らすことを心がけているそうです。小柄で物静かな方ですが、内面はエネルギーが満ち溢れている素敵な女性です。益々光り輝いてご活躍くださいね。

(2013年9月21日(土)取材)




ラロックシリーズ
「ラロック」とは地名で、パリから750km南の小さなプロバンス地方の村-(La Roque sur Pernes)です。ヴァン ゴッホが滞在したアヴィニョンの町から北東に40kmぐらい山に入ったところです。11世紀から始まり、今残っている古い建物は18世紀頃の建造物です。私はそこに、5月下旬から10日間滞在制作した作品を今回展示しています。


私の作品は、旅で訪れた「場」、そして日々の生活を送っている「場」を題材にしています。その場から得た私自身の印象を、色、色層-地肌、筆使い、形、素材感で表現しています。
横野和紙の持つ特徴の、繊細さ、透明感、かつ強さを生かし、薄く色を紙に重ねてゆきながら、作品に奥行き、深さを持たせ、紙、色を絵という平面的に捉えず、素材として捉え、立体として表現させたいのです。

今年は、フランスでも異常気象で、冬が長く、春が短く、寒くて雨の多い日々が続きました。特に南仏は天候が悪く、過去20年その土地に住んでいる人に経験のない夏の訪れが大変遅い年でした。そんなところに訪れたわけです。

大自然の中の小さな町で、私は毎日3~4時間、山中を歩きました。誰一人と出くわせる事がなかったくらい、人の気のない山道でした。
そんな折、滞在4日目から、ようやう天気が回復し、透き通った、突き抜けるような空、強い太陽光、さやわかな風、待ちわびていた花々の芽が大きくなり、待ちに待ったというように次から次へとはじけるように咲き出しました。
その地で多く収穫が出来るサクランボも一ヶ月遅れでようやく収穫が始まりました。


このような、生命の躍動感、山の香り、光、自然との触れ合いから得た私自身の心の高ぶり、感動、興奮を作品に表現しています。


 今回津山での展覧会という事で、生地に横野和紙を使いました。日本人として、津山出身として、津山の素材を使いたかったからです。そしてフランスに持って行った横野和紙を作品として里帰りさせたかったのです。
 今回の展覧会は、自分自身の里帰りでもありましたが、津山-パリ-ラロック-町田-そしてパリ、私自身の時間の経過を作品から何か感じ取って頂けたらと考えております。
                                              桜井 由子
                                            2013年9月21日