大日如来と一宮街道(上高倉大小背)

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 東谷の矢田から深山に向かう山道を歩くと、深山の集落が見えだす辺りの墓地に自然石の大日如来の塔がある。表に刻まれた「大日如来」の下部右側に「右かも」、左側に「左やま」と記されている。裏面には「文政八乙酉八月吉日」とあり、1825年の建立である。大日如来の塔は牛馬の供養のために建てられたもので、高倉地区の各所に見られる。

 この場所の北で道が二つに分かれ、右の山道は福山越しに綾部から加茂に向かう古道、左は深山に向かう。大日如来塔はこの三叉路に道しるべを兼ねて建てられたものと思われる。
  また、加茂に通じる古道は、加茂・吉見・堀坂方面から美作の一宮.中山神社に参る一宮街道で、この辺りにはお堂や大日と呼ばれる茶店があって賑わっていた と伝えられる。この山道を南に下った掛ヶ上の三叉路にも、文化11年(1814)建立の道しるべがある。「光明真言一百萬遍」の下に「北かも、西一ノ宮、 南なら」と記されていて、一宮街道はここから西に向かい大篠に入る。(2013.6.14取材)(文:高倉の歴史と文化財より)

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大小の大日如来

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南に下った掛ヶ上の三叉路