街道筋に祀る昔ながらの塞の神(津山市玉琳)

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津山市玉琳 文久2年(1862)の地図に道祖神と道路の南側にある。
村境や道路の辻、橋畔、峠などに碑石や祠として祀り、外部から侵入しようとする邪悪な霊や疫病などを遮ったり防ぐ神として信仰された。旅行の安全の神でもあった。
(取材2014.6.15)

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○塞の神は、才の神・サイの神とも書き、ところによっては道祖神・道陸神とも呼ぶことがある。塞はサエであり、遮る(さえぎる)のサエとおなじ意味である。古い民間信仰にもとずき塞の神は、外から入る邪気や悪霊を防ぎさえずるために村境や峠に祀られた。

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○昔は、外から入る病気、とりわけはやり病(伝染病)を大変恐れた。道中旅人の病人や行き倒れの人の応接も大変だった。外からの悪霊や災難を防ぎ、塞の神様に守ってもらう信仰は、江戸時代後半から明治にかけれ大変流行した。旅人は拝み、石を積んだり柴を手向けたりしたという。

○塞の神は昔の村境を知る手がかりにもなるが、医学や交通が発達した今日では、その役割を果たし終えて消えゆく神様となって来ている。この神様は街道筋のまことにふさわしい位置にあるものの、市街地にあって今日なお祀られていることは大変珍しく、信仰面の文化財ものといえる。(文:美作の歴史を知る会 宮澤靖彦)

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六体地蔵                          日蓮塔

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ご近所のお宅のお花がとてもきれい。