重要伝統的建造物群保存地区にある渡邊邸(東新町)

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 なまこ壁や防火用の袖壁・卯建(うだつ)のある古い家が軒を連ねる旧出雲街道沿いにあり、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された一角に渡邊邸があります。津山城を解体した材料を使って建てた家なので、明治7年に解体したからそれ以降に建てられた家だそうです。この重厚な建物が昔のまま残っていることが素晴らしいです。(すぐお隣は、津山の代表的商家であった旧梶村家の住居です。)【渡邊邸は非公開です。】(取材2014年9月27日)

watanabe15.jpgyoru2.jpg渡邊邸は元は竹林という造り酒屋だったのを渡邊家が購入されたそうです。

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夜の街並みも美しいですね。

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すごい杉を使っています。これは新しくされたそうです。

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 津山市城東伝統的建造物群保存地区は、城下町の商家町として発展した町並みで、江戸時代に形成された町割を良く残し、江戸時代の町家を主体として昭和戦 前期までに建築された、出格子窓、虫籠窓、なまこ壁、袖壁などを使用し、意匠的に優れた伝統的建造物が密度高く建ち並び、城下町に形成された商家町の歴史 的風致を良く伝え、我が国にとって価値が高いと評価されたものです。(文:津山市HPより抜粋)

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天窓の所に、揚げ戸の滑車が残っています。

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玄関の天井を見上げると大きな梁がまず目をみはります。

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「おそらく黒っぽい梁が津山城のものではないかと思います。」とのことでした。

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昔はここが玄関だったそうです。

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母屋から裏庭へと続く廊下の途中です。

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ここの建物は奉公されていた人が住んでいた。  ここの空き地には蔵があったそうです。

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その先には綺麗に整えられた落ち着いた庭があります。

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庭のお手入れをなさっている渡邊元之さんをお尋ねしてお話を伺いました。

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この梁のすごいこと!「津山の建て方と違う。おそらく材料は津山城から移築されたもので、大工は京都から呼んで建てたのではないか。」と奈良の文化庁の人方が言っていたそうです。

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この縁側の板は大きな2枚の板で作られています。

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4枚の板を重ねてあるように見せるために溝を掘って工夫がしてあります。

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中庭のお手入れは渡邊さんがなさっているそうです。

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苔むした立派な松や井戸があります。

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さるすべりの木は赤と白が途中で接木されているそうです。

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この蔵の横にもうひとつ蔵があったそうです。

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母屋の屋根と蔵が昔を偲ばせてくれます。(取材:2014年9月.27日)



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渡邊元之さんは、町内のだんじりのお世話をなさっていて、母屋に置いてあった飾りを手に取り、町内のだんじりに飾ろうと思って磨いているとのこと。「薄れゆく文化に危機感があるし、毎年子どもたちが乗るのを楽しみにしているので、東新町は2年に1回の所が多い中、毎年だんじりを出そうと言っています。でないと文化がすたれてしまうし、町内が一つにまとまらない。」とお話し下さいました。快く取材に応じてくださった渡邊さんにこの場を借りて感謝申し上げます。