桜橋(津山市楢)

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 旧因幡往来が加茂川を渡るところに桜橋がある。楢部落の入り口である。楢部落は古くから物資の集散地として栄えていたところである。
 桜橋を東に渡ると川岸に立派な石垣の高燈籠がある。かつて川船の出入りしていた川船港である。加茂川の川船港としては終点である。

 森藩時代は加茂の小中原まで舟が通じていたが、松平藩の時代になり、加茂谷が天領となったので舟運は衰えている。しかし、いかだなどは通じていたようである。この港からは、川下に向かって木材、木炭、米、豆、綿、紙、油、川魚、鉄などが運ばれていた。もちろん旅人も利用している。

加茂川は河辺で津山川(吉井川)と合流しているが吉井川の川舟港は入、中須賀、院庄、船頭町、大戸、吉ケ原、周匝、田原などがあった。津山から川口の西大寺まで下りは1日、上りは4~5日かかったと言われている。舟には大船頭1名、小船頭1名がいて舟を操っていた。
 下りは流れに乗るので速いが、上りは両岸を引き子という小船頭が宇綱(おづな)で作られた船頭綱を肩に人力で引いていた重労働である。川下からは塩、醤油、畳み表、みかん、いわし、さば、瀬戸物などが運ばれている。川舟港にはにぎやかな町ができ、船頭さんの寝泊りをする舟宿もあった。(文:むかし高野より)(2015年3月8日取材)

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桜橋

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加茂川西側より望む

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南方面より望む

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桜橋

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常夜灯の詳しい説明はこちらから

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常夜灯

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楢船着き場跡の常夜灯は津山市指定重要文化財(史跡)


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2014年4月12日撮影