津山洋学資料館秋季企画展 解剖図の世界-江戸から現代(いま)へ-

tenji2.jpg

 2015年は、京都で山脇東洋が日本最初の人体解剖を行ってから260周年にあたります。この解剖の記録として『蔵志』が出版され、それまで信じられてきた「五臓六腑」図が否定されました。当時の医師たちは人体の内部を自分の目で確かめるため、各 地で解剖を行いました。『解体新書』翻訳のきっかけとなった、江戸小塚原の腑分けもその一環です。蘭学の発展に大きな役割を果たした解剖図、そして現代の 解剖図-メディカルイラストレーション-を一堂に展示することにより、江戸時代から現代へ繋がる医学の発展をご紹介します。(文:津山洋学資料館HPより抜粋)2015年9月5日取材

2015年9月5日(土)~10月4日(日)津山洋学資料館 9:00~17:00(入館は16:30まで)

tenji13.jpg800テープカット.jpg

オープニングセレモニーのテープカットの様子

tenji11.jpgtenji9.jpgtenji7.jpg

田村教育長、山陽放送 斉藤常務、川崎医療福祉大学 佐久間特任教授の挨拶

tenji28.jpgtouyou.jpg

「五臓六腑図」                 漢方医の解剖「解体発蒙 臓腑図」江戸時代

v25.jpgtenji26.jpg

西洋の解剖学書「小世界・人体解剖図譜」1667年 日本最初の翻訳解剖学書「和蘭全躯内外分合図」1772年

zu.jpgtenji23.jpg

写真左:山脇東洋解剖図 1754(宝暦4)年以降(文・写真:津山洋学資料館発行「解剖図の世界」より)
 山脇東洋は1754(宝暦4)年に官許を得て、刑死体の腑分け(解剖)に立会い、日本初の医学的な観臓を行いました。この三点の解剖図は東洋が出版した観臓の記録『蔵志』(1759年刊)の原図と思われます。以降の解剖図と比べると未熟な図ですが、日本最初の解剖書として近代医学形成の一端を担った役割は大きく、その価値は高く評価されています。
写真右:日本二番目の解剖書 解屍編 1771(明和8)年 荻野元凱・河口信任著
 『蔵志』に次ぐ我が国二番目の解剖書。1770(明和7)年に京都で行なわれた解剖の記録です。荻野元凱(1737~1806年)が立会い、河口信任(1736~1811年)自らが執刀しました。日本で初めての頭部の解剖を行い、また解剖図は『蔵志』より詳しいですが、まだ五臓六腑的なものになっています。

tenji19.jpgkeishi.jpg
海上随鴎解剖記録 1808(文化5)年
 海上随鴎(稲村三伯、1759~1811年)は元鳥取藩医で後に脱藩しました。海上は大槻玄沢の門人で、津山藩医宇田川玄真の義兄でもあります。
 本図は文化5年に海上が主催し、京都で行われた解剖の記録です。このときは男子二体の解剖に60人近くが参加して行われました。

zu1.jpgzu2.jpg

写真左:解観大意付図 1812(文化9)年 波多野貫道筆 
 小森桃塢(1782~1843年)・藤林普山(1781~1836年)が京都で1812年に行った男性の解剖記録。図を描いた波多野は桃塢の門人です。この解剖では、西洋解剖書にはない「乳糜管(奇縷管ー腸にあるリンパ管)」を初めて実際に観察しました。
写真右:解剖存真図 1819(文政2)年 南小柿寧一著
 淀藩(現在の京都府)医の南小柿寧一(1785~1825年)が、40回余りの解剖に立会い完成させた解剖図。この図を見たシーボルト(1796~1866年)も絶賛しており、写実的にも内容的にも、江戸時代の解剖図の中で最も充実したものといえます。(文・写真:津山洋学資料館発行「解剖図の世界」より)
tenji32.jpgtenji35.jpgtenji36.jpg

写真左:「体内十月絵巻は薬店の広告」女性の体が描いてあるのは珍しいそうです。

写真右二つ:江戸後期の歌川国貞画の「房事養生鑑・飲食養生鑑」 2枚セット。飲食養生鑑は飲み過ぎ食べ過ぎ戒め、房事養生鑑では体内を遊廓の世界にたとえて、女性特有の体内を描いています。五臓六腑にはない「卵巣」と 「子宮」が描かれており、庶民にも解剖の知識が広まっていることがうかがえます。(文:説明より)
tenji34.jpgtenji33.jpg

写真左:「生き人形」(江戸末期)生きているかのように精巧に作られた人形のことです。解剖学の知識が医師だけではなく、一般にも広まり、人々の関心が高まるにつれて、このような生き人形が作られるようになりました。中でもこれは、体内に五臓六腑を納めた珍しいものです。

写真右:「産科人形」(明治期)明治初期の産婆(助産師)教育のために作られました。西洋では17世紀頃から産科教育に人形が用いられていました。日本では教育用だけではなく、見世物用としても精巧な人形が作られました。

tenji1.jpg1066ishi.jpgtenji3.jpg

↑メディカルイラストレーションの説明をされる川崎医療福祉大学 佐久間特任教授の説明もありました。

my31-thumb-645xauto-143102.jpg
鈴木東京国立博物館館長(写真中央)は前日に東京へ帰られました。

9月5日(土)~10月4日(日)津山洋学資料館 9:00~17:00(入館は16:30まで)