少林寺拳法グループ総裁 宗由貴氏の講演

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2016年8月20日(土)津山鶴山ホテルに於いて、「少林寺拳法のこれからの歩むべき道」と題して、少林寺拳法グループ総裁の宗由貴氏の講演がありメモしてきました。


 少林寺拳法は、開祖が戦後荒廃した日本や、日本人が自信を無くしていたのを見た時、自分に何か出来ることがないか? 自分の手でもう一度人のために働く人を育てたい。社会を良くしていくには、自分のことと同じように他人のことも大切にできる人間をひとりでも多く育てる ‐人づくり‐ しか方法はないと考え、その手段として教え・技法・教育システムを兼ね備えた少林寺拳法を創始しました。
 今や世界37か国まで大きくなりました。少林寺拳法に流派はなく、世界中どこへ行っても、同じ教え、同じ技、同じ教育システムです。
 開祖は様々なものは作ってきたが、その時代その時代で必要なものと必要でないものがあるように思います。指導者は今の時代に何が必要かちゃんと解って指導しなければならない。中学・高校生の若い年代が志を持ち、何とかしようと思ってくれるようにならなければならない。

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「半ばは自己の幸せを、半ばは他人(ひと)の幸せを」が少林寺拳法の理念です。
自分の力を他人のために役立てて、喜びや感謝が生まれれば、より大きな喜びが自分のもとに還ってくる。そうして他人とともに幸せに生きる道を目指すものです。
 ウルグアイのムヒカ大統領【世界で最も貧乏な大統領】に「日本人は幸せだと思いますか?」の問いに、ムヒカ大統領は、「若者が夢を持っていない。高齢者が孤独である」と言われたそうです。日本が今やらなきゃならないのがこれである。子どもがあんな大人になりたいと思えるように。

私は開祖から、いいストレスをもらった。
朝、必ず挨拶を大きな声で言わなかったら「行ってきますとちゃんと目を見て挨拶しろ! これが最後になるかも知れんぞ!」と言われた意味が今になって「一つ一つ思いを込める」ということだと解ってきました。合唱から始まり、相手を大切に、普段の日常でこれが出来なければ人と人との関係も出来ない。

 人を表面だけ集めてそれでいいのか?それではだめ!人と人との関係が壊れている。
今の若者は、自分でルールを決めている。
 近くにいるのにメールしている。人と向き合わなければ、人間関係はうまく出来ない。
ある年代から人が集まることを嫌う、大学の合宿でもバラバラでコンビニで買い物をしたり電話している。なんで縛られなきゃならないのか?それ以上言うとやめる。限られた時間で楽しめられたらいい。

メンタルが弱いのはなぜ?
いいストレスを経験していないからだ。パワハラetcを自分で跳ね除ける事が出来ない。
誰かがしてくれると思っている。
家庭では子どもが口を聞かない、あいさつしない、おはよう、ごちそうさまがない。
子どもは昼間見ないが、夜カバンをもって塾通いしている子はよく見かけます。
戦後、競争で発展してきたが、人との関係は壊れた。人間関係はやっかいな時代になっています。

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私は59歳で来年は還暦を迎えるが、周りで親の介護の話になる。
好きなことが出来なくなるのがつらい!1週間で3日、下手をすれば1ヶ月もまったく人とのかかわりが無くなる。子どもとの関係を良くしておかないと、後で大変なことになる時代が来ます。

このまま何もしなかったら2025年には19歳以下が半分になり、高齢者ばかりで誰もいない地域が多く出てくる。免許が離せないので事故率が高くなる。無人の地域が多くなる。日本が壊れてしまう。75歳まで納税をしなければ成り立たない等々。

今、少林寺拳法では年配者が来られて、体を健康にして介護年齢を引き上げる事を目指し、ふれあい、笑うことが出来る場所、コミュニティーになっている。体を動かすことが嫌な人は、人と触れ合う、楽しむ環境があってもいいのでは?競争で発展してきたが人の関係は壊した。もう一度、原点に戻り地域の繋がりを大切にしましょう。

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「少林寺拳法の子はすごいね!」と言われる。
美作のインターハイに行きましたが、偶然、子供たちがインタビューされていたのを小耳にはさんだ。
「少林寺拳法のどこがいいの?」と聞かれていた子が
「本当の友達が出来るところです」と答えていた。
すごくうれしかった。これは指導者のおかげ。
OBとかスタッフがこまごまと動いている。それを見てリーダーがどんな関係を築いているのかわかる。

頼ってもらえる、喜んでもらえる人になる、その為には自分が自信を持たなければ出来ないことです。
少林寺拳法が地域の核となってほしい。


「私と少林寺拳法、そして開祖との思い出」講師:宗道臣塾 講師 鈴木義孝先生

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私は85歳です。
開祖から15年間直接教えていただき、密度の濃い付き合いをさせていただいた。
からだの健康と心の健康をいただいた。
85歳は末期高齢者という。
私は自分の体に向かって、おまえついて来いよ!というと体は付いてくる。
体と心の健康のバランスがとれた時、生きる力となっている。

生きる力とは=人間関係のことだ。
開祖は私は幸せだ。なぜだか解るか?右を向いても左を向いても私を必要とする人がいる。
本当に私は幸せだ、
今のこの時代に開祖はどう思っているか聞きたいが、行ったら帰ってこれないので聞くわけにはいかない。
これからの時代はどうなって行くんだろうか?世界の指導者に聞きたい。
人間関係が紙のようにペラペラになる。

橋というのはこちらからも渡れるが、向こう側からも渡ってこれる双方向です。
今は橋があるから来てください。と何かしてくれるのを待っている。
そうすると人間関係が切れてします。
こちらから向こうへ行き、何がしてあげれるか?

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開祖が誰にでも解るように言葉にしたのが
「半ばは自己の幸せを、半ばは他人(ひと)の幸せを」だ!
開祖は半分くらいはやってもいいかと思わせてしまう人だった。
パンを半分に割ったら自分と相手は同じだけ、これがパンの耳を少し上げるのとはわけが違う。
相手が喜ぶことを味わったら縁は深くなる。
あいつの為ならなんでもしてやりたい!そう思える人が何人いるか?10人いたら上等だ!
そんな人を増やそう。