和時計 ー西洋の技、日本の心ー

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 平成29年度津山洋学資料館夏季企画展「和時計 ー西洋の技、日本の心ー」いかにして日本は近代国家と成り得たのか?、洋学と共に日本の近代化を支えた機械技術の源流を探る。会期:2017年7月1日(土)~9月24日(日)
 日本にもたらされた西洋の機巧(からくり)としては鉄砲が有名です。その鉄砲と同時期に時間を測る機会ーー時計も日本に紹介されました。当時の職人たちはゼンマイや歯車、カムといった西洋からもたらされた仕組みを改良し、また、日本の不定時法に合わせた、どこにもない独自ののものーー和時計を作り上げたのです。
 洋学という江戸時代に日本に移入された西洋の科学知識と、和時計に象徴される機械技術、これらは明治以降の近代化を支えた両輪といえるでしょう。(文:津山洋学資料館)(2017年8月30日撮影)

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津山洋学資料館

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 時計は、16世紀後半、鉄砲と同じころに、西洋から日本へもたらされました。当時の職人たちは、歯車やゼンマイなどの構造を理解し応用して、日本の不定時法(季節によって昼夜の時間の長さが変わる)に対応させた独自の時計「和時計」を作り上げたのです。

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和時計の展示風景

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↑ 手前の写真:漏刻(模型)漏刻(ろうこく)とは水の溜まる速度で時間の経過を計る時計。古代からあり「日本書紀」に「天智天皇の10年4月25日(671年6月10日)に始めて漏刻を新しい台に設置して鐘鼓を鳴らして時を告げた」とあり、これにちなんで6月10日が「時の記念日」となっています。

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江戸時代の主力火器 火縄銃            葛飾北斎が描いた鉄砲

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阮甫・榕菴らが翻訳                江戸時代の空気銃
海上砲術全書・会場砲具全図            気砲記並図 全(写し)

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日本最初の鐡道時刻表 鉄道獨(ひとり)案内1872(明治5年)歌川芳虎 筆
 歌川芳虎は幕末~明治に掛けて活躍した絵師で、文明開化の世相を描いた「開化絵」と呼ばれる浮世絵を多く残しました。新橋~横浜間の鉄道開通直前に発行されたこの絵では、新旧暦の切り替え前ですが、発車時刻は定時法で表示されています。

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                       時計の見方を説く 改暦弁附時計見様訳(写し)