津山市田熊字福本のなぞの石碑

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 私が長年気になっていた事で私の代に解決しておかないと誰も解らないままになると思い、里の家前の安藤きしこさんに力を借りて調べる事にしました。子どもの頃、父に連れられて行っていた「たばこ畑」のすぐ下に、椿の木と一緒に祠があったような気がします。(椿と石と石の間に祠があった?ような気がしていました。)今となっては、何年も祀られていない上に、椿の木は大きくなり、藤の木が覆い茂り、字も風化されて解りません。ただ、前の安藤きしこさんに聞けば、野田の人が多く参られていて、ここにお参りした後に岩黒城跡お大師様におまいりして、また帰られていたと聞きました。そして、上り口には石の段々があった。道の反対側には茶店があった。(現在は安藤きしこさん宅の畑になっている)。そして、この山が寺山と呼ばれていたそうです。

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大きな碑です。                 後ろから見た石碑です。

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下の側面から見た石碑です。

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大きな碑には日蓮宗の様な文字が見えますが読めません。

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奥の方の少し小さな碑です。何が書いてあったかはわかりません。

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これは祠があったと思われる所             下からの上り口

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安藤きしこさんの畑(ここに茶屋があったそうです。)

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この茂みにあります。(撮影:2015年11月28日)


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このこんもりした山裾にあります。        この山が寺山と言われていたそうです。

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ここには真加部街道沿いの村境 長尾山への道標 石仏道標があります 。 

もし、ご存知の方がおられましたら、お聞きしたいです。(田熊:横部)


田熊の法花石 津山市田熊(旧勝田郡廣野村)に、法花石と呼ぶ地名があり、山林雑木の中に、高さ五尺幅四尺位な岩石がありその岩面に
南無妙法蓮華経 ○○四丁○○八月 日
とのみ判読出来るものがある。此丁に就いては寛永四丁夘、正保四丁亥、貞享四丁夘、宝永四丁亥、延享四丁夘、明和四丁亥、文化四丁夘、弘化四丁未、等があり、此内の一に該当するものであることは推定せられ、此地は経王寺所在地の下野田と、指呼の間にあるので、日蓮宗信徒の多い下野田部落のもの等によって刻まれたものかと考へられるのである。(郷土史家 寺坂五夫さんの『日蓮宗法難史』の中にあると和仁三郎さんから教えて頂きました。)


「南無妙法蓮華経」について

◎南無妙法蓮華経が刻まれている碑は一般的に「日蓮上人の供養碑」と言われています。大変古い碑で、刻まれている碑文もわかりにくいものが多いのです。備前・備中・備後、美作の街道・往来を歩くとき、幾度となく「南無妙法蓮華経」と刻んだ石塔(石碑)と出会った。   
最初は山陽道(西国街道)で自然石に「南無妙法蓮華経」と刻んである石を見た。その後、岡山県内の往来を中心に歩き始めたとき、備中でも題目碑を見たが、かなり大型だった。さらに津山往来を歩くと、ここでも大型の題目碑を見た。地域によって形や大きさが違うような気もした。文字が風化していて判読できないものも多いが、何となく読めるものもある。そこから何かを知ることができるかも知れない、と思う。
≪定義≫ 題目塔、題目石などといわれることもある。日本石仏事典第二版p119-121では、題目塔を「題目講の建立になる供養塔をさす。」として、関東地方の題目塔について説明する。宮崎県のものにも言及するが、中国地方の題目碑については書いていない。また、記述の内容についてもいくつか興味深いものはあるが、全体として岡山の街道・往来で目にするものとは少し異なるように思える。
ここでは、管理人にとって一番しっくりくる岡山県大百科下p34の【題目石】の項目(項目の著者/加原耕作、板津兼六)を引用し、他の資料の情報で補足する。日蓮宗の題目を刻んだ石塔。題目塔ともいう。日蓮宗では法華経に帰依する意味で<南無妙法蓮華経>という題目を唱えると、その功徳によって成仏するといい、この題目を紙にして本尊としたり、石塔に刻んで寺や村々の辻などに立てている。この題目を刻んだ石塔が題目石であり、日蓮宗の盛んな備前地方を中心に備中東南部、美作南部などに多く見られる。
◎題目塔(だいもくとう)は、南無妙法蓮華経と刻まれた、鎮魂を目的とする供養塔である。
◎日蓮上人が処刑されそうになったとき、奇跡が起こって日蓮上人が助かったという伝説である。全国の処刑場供養が南無妙法蓮華経のヒゲ題目なのは、これにあやかっている。江戸時代に流行したらしい。刑死者に希望の光をという意味で建立されている。ただし、日蓮宗の施設等には普通にある石碑なのでこれがあるからといって必ずそこが処刑場跡なわけではない。(文は友人H,Yさんが参考にと送ってくださったものです。)