冬の星空浴特集

寒い日は星がよく見えます!

こたつでミカンもいいですが、星を見るのもいいですよ。

今年の冬は、気楽に『星空浴』をはじめよう!
(ただし防寒対策はしっかりしましょう!)

星空ストーリー

Prologue

仕事に追われ、ため息ばかりの毎日。
いつも通り遅くに帰宅した雄一はふと空を見上げる。
澄み渡った空に、無数の星が広がっている。
星を見上げて

Chapter 1.星座

その日あった嫌なことも忘れ、ただ星を眺める雄一。
子供の頃教わった星座を、曖昧な記憶を頼りに探してみる。

Chapter 2.観測

すっかり星を眺めるのが日課になった雄一。
ある日、思い切って入門者向けの望遠鏡を購入する。
買ったばかりの望遠鏡で空を見上てみた。
星を見上げて

Epilogue

宇宙の広大さ、美しさ、不思議、うまれては消えていく星などに触れ、徐々に自分の悩みがちっぽけなものだと感じはじめた雄一。
仕事にプライベートに充実し、妻と子供と一緒に天体観測を楽しんでいる。

はじまり

天文学のおこり

人々が農耕により計画的に食物を生産する様になり、食物の安定供給により多くの人が集まる様になりました。
また、人々は星の位置や太陽の位置変化が、毎年同じような周期であることを知っていました。
人口の増加が進み、より安定した食物供給が必要になり、栽培や収穫の時期を判断する為に、季節の変化をより正確に把握したいと考えました。
人々はこれに星や太陽の位置を用いることができることに気がつきます。
こうして、人々は天文学を手に入れました。

星座のはじまり

最初に決められた星座は星占いで有名な、牡羊座、牡牛座、双子座・・・などの黄道十二星座だと言われています。
場所は、現在のイラクのあたり、メソポタミア地方、ただし有名なメソポタミア文明以前の時代だと言われています。
作ったのは占い師さん...ではなく、羊飼いだそうです。これは、黄道十二星座に身近な家畜が多く含まれているのがその証拠で、夜の羊当番の間、夜空の星々を身近なものにみたてて時間をつぶしたのではないか、ということです。
その後、これらの星座はメソポタミア文明で占星術の基礎となり、さらにギリシアで神話の中に取り入れられていきました。

冬の星・星座

オリオン座

オリオン座
ギリシア神話の海の神ポセイドンの息子、狩人オリオンです。 冬の星座としては一番人気のあるものではないでしょうか? 赤いベテルギウス、白いリゲルの2つの一等星と、オリオンの腰の部分の三つ星が美しいですね。
ちなみに日本ではベテルギウスを「平家星」、リゲルを「源氏星」とも呼びます。それぞれの旗の色になぞらえたものだそうです。

探し方

三つ星が良い目印になるので簡単に見つけることができます。見え方角によって傾きがかわることに注意。

ふたご座

ふたご座

探し方

冬の大三角をみつけて、そこから上の方を見てみましょう。1等星ポルックスとカストルが並んでいるのを見つけられます。

冬の大三角

冬の大三角
オリオン座の一等星「ベテルギウス」、こいぬ座の「プロキオン」、おおいぬ座で、最も明るい星である「シリウス」の3つを結ぶ、三角形です。正三角形に近く、納得です。

探し方

冬に南東の空に確認できます。綺麗な三角形ですし、有名なオリオン座や、最も明るいシリウスで構成されるので見つけやすいです。

牡牛座・すばる(プレアデス星団)

牡牛座・すばる
エウロペ姫に一目惚れした大神ゼウスが、エウロペ姫近づくために変身した純白の牛の姿とされています。
すばる(プレアデス星団)は最も有名な星団(星の集まり)で、肉眼でも小さな星が密集した様子が観察でき、世界各地でそれぞれの呼び名があります。
ギリシア神話では巨人アトラースとニンフのプレーイオネーの間に生まれたプレイアデス7人姉妹(「オリオンと大さそり」参照)とされています。

探し方

オリオン座の三つ星を西の方に辿っていくと、赤い一等星「アルデバラン」と、そこから伸びるV字を見つけることができます。これが牛の頭の部分です。
そこからさらに西へ見ていくと、6−7個の星がひとかたまりになって見えます。これが、「すばる」です。

観測グッズ

冬の星は目立つものが多く、裸眼でも十分楽しめますが、道具を使えばもっとよく見られます!
また、冬の夜はとても寒いのでしっかりと防寒対策をしよう!

双眼鏡

双眼鏡
私スタッフTはCanon 10x30 ISを使ってます。
もともと街灯のない山の上に住んでいるので星だけはよく見えるのですが、これを使って初めて星を見た時は息を呑みました。写真を見せられないのが残念です。
天体観測=天体望遠鏡というイメージがありますが、双眼鏡でもよく見えます。
望遠鏡で星を見るのは面倒だけれど、双眼鏡なら思い立った時にすぐ見られる!
しかも、星見以外にも鳥を見たりといろいろ使えます(笑)
星を見るのに使うために、必要な性能があり、なんでもよいというものはありません。詳しくは、参考サイトをご覧下さい。

天体望遠鏡

本格的にやるならやっぱり望遠鏡でしょう。
肉眼や望遠鏡では見られない、土星の輪や木星の縞模様も見られます。
これも、質の悪いものだとまともな像が見られずがっかりします。
子供の頃おもちゃ屋で、やたら倍率ばかりを主張する望遠鏡を買って貰いましたが結果は...な、私のようなことにならないように、よく検討しましょう。
「購入はちょっと...」という方は、天文台で行われている観測会などに参加すれば、大望遠鏡を楽しめますよ!
津山の近くにも、佐用町の西はりま天文台に世界最大級の公開望遠鏡があります。

防寒着【超重要!】

美しい星空に寒さも忘れる...とはいえ、限度があります!寒いもんは寒いです。
特に、暗闇に目が慣れるまで最低5分、ベストは30分と言われていますので、その間じっくり待てるだけの服装でないといけません!
基本的なこですが、インナーはセーターなど空気を含むもの、アウターは風を通さないもの。帽子や手袋も忘れず着ましょう!
スキーウェアなどもいいですね。

冬の星座物語

オリオンと大さそり

オリオンはとても強力な狩人でしたが、高言を吐いたり、プレアデスの7人姉妹を追いかけたりととても乱暴で傲慢でした。
これに怒った地母神ガイア(女神ヘラという説もあり)は蠍を差し向け、オリオンを毒針で刺し殺させます。
その後星座となったオリオンは今でも自分を刺し殺した蠍から逃げ続けているために、蠍座とオリオン座は今でも同時に見られないのだそうです。

なお、オリオン(オリオン座)の視線の先にはプレアデスの7人姉妹(プレアデス星団・すばる)があるのも、懲りずに追いかけ回すのをやめないように思えて、面白いですね。

仲良しの双子

ゼウスとスパルタ王妃レダの間に生まれた双子、ポルックスとカストルはとても仲の良い兄弟でした。
しかし、弟のポルックスは神であり不死でしたが、兄のカストルは人間でした。
カストルが死亡した際、ポルックスは嘆き、父である大神ゼウスに、兄と離ればなれになりたくないと懇願しました。
ゼウスは願いを聞き入れ、二人が星となって一緒にいられるようにしました。(ふたご座

見どころ

真っ赤な月が見られる?皆既月食

Eclipse lune
地球が太陽と月の間に入り、満月が地球の影によって欠けて見えることを『月食』といいます。
逆に太陽と地球の間に月が入って太陽が欠けて見えることを日食と言いますが、どちらも珍しい現象です。
中でも、月が全て地球の影に入る皆既月食はさらに貴重です。
影に入るといっても皆既日食と違って、全く見えなくなるわけではなく、地球の大気に拡散されにくい赤い光が回折して月に到達するため、赤く見えます。
2011年は12月10日21時24分から欠けはじめ、23時31分には最大となるということなので、天気が良ければ是非チェックしてみて下さい!
(私も愛用の双眼鏡で観るつもりです!)

なお、この次に皆既月食が起こるのは、3年後の2014年10月8日とのこと。

冬に見られる流星群

通常流星(流れ星)はランダムで狙ってみることはできないのですが、毎年ほぼ決まった時期に現われる流星群なら、時間と方角を予測できます。

ふたご座流星群(2011年12月14日極大)

1時間に60個程度と、年間最大数がみられる流星群です。
今年のピークは日本では夜間になり、その点では期待できますが、 ただ、残念ながら満月過ぎと空が明るく条件は良くないそうです。
1日極大からずれると、出現数が半分になるとか。
ふたご座のカストルのあたりを中心に、一晩中みられるとのこと。

こぐま座流星群(2011年12月23日極大)

1年の締めくくりとなる流星群ですが、流星数は少なめとされていますが、気まぐれなところがあり、予想外の沢山の流星が現われることがあるそうです。
ピークの時日本は昼でみることはでないので、前日の22日がよいようで、月明かりがなく条件は良いようです。
発生が"北極星"(こぐま座の尾の部分)の近くなので、一晩中見ることができます。

天文台にいこう!

月食流星群などの天文イベントにあわせて観測会が開催されていることがあります。詳しくは各天文台に問い合わせてみて下さい。

西はりま天文台(佐用町)

西はりま天文台

津山から高速で30分と近場です。200cm反射望遠鏡は、一般公開されているものでは国内最大とのこと。宿泊施設もあり、毎晩観望会が行われているそうです。

美星天文台(美星町)

美星天文台

光害についての条例があり、市街地から離れた高台にあるため、文字通り満天の星空を堪能できます。流星群の時期にはかなり混雑することもあるとか。

さつき天文台(美咲町)

50cm反射望遠鏡があります。毎週土曜日開館。

星空豆知識

目を慣らす必要性

「窓から見たけど、感動するような星なんて見えなかったよ」
いくら冬の星が明るいと言っても、その強さは微々たるものです。
人間の目は、明るいところから暗いところになったとき、すぐには見えず、少しずつ見えるようになります。(目が慣れる。「暗順応」)
星を十分に見られるまで順応するには、10〜30分程度必要と言われています。けっこう時間がかかるんです。
「見てみたけど、全然見えなかったよ」というのは、目が慣れる前にぱっとみて諦めてしまったという場合が多いのです。
冬の夜で30分はかなりつらいので、しっかりと防寒対策しましょう。

また、自動車の車内は暗いので、夜間の運転・タクシーで帰った時に、空を見上げてみてください。きっとよく見えますよ。


冬は星がよく見えるって本当?

気温が下がると飽和水蒸気量が下がり、空気中の水蒸気が少なくなることで、空気の透明度が高くなり、遠くまで綺麗に見られるようになります。 加えて、雲もできにくくなり、晴れることが多くなるのもポイントだそうです。

デジモノで星空探訪

Androidスマホ

Google Sky Map

これは超おすすめです。GPSと傾きセンサーと連動して、空に向かってかざすとそこにある星の名前や星座図を表示してくれます。楽しい!

また、星の位置を矢印でナビゲーションしてくれる検索機能などもあるところはさすがGoogleです。

パソコン

Stellarium

Mitaka / Mitaka Plus

無料のパソコン用プラネタリウムソフトです。任意の日時、観測地を指定して、その時の星をシミュレーションできます。

NintendoDS

星空ナビ

夜空にかざして楽しむ星空ガイド。Google Sky Mapの様な感じですが、こちらはNintendoDS用のソフトです。お子様へのプレゼントにいかが?

12月のプレゼント

HOMESTAR AQUA

2011年12月のプレゼントはお風呂などで手軽にプラネタリウムが楽しめる『HOMESTAR AQUA』です。
ご応募はこちら

星空を楽しむ本

スタッフTが手にとって気に入った本の紹介です。

宙のまにまに
天体観察「超」入門
機材ゼロでも大丈夫!


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双眼鏡で星空を楽しむ本

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  • 星座を見つけよう
    有名な星座の探し方とお話がわかりやすく紹介されています。
  • つるちゃんのプラネタリウム
    素晴らしい情報量です。入門者に役立つ情報を網羅。また、自作のプラネタリウムプログラムも公開されています。
  • 津山の星空
    津山にお住まいの方のHPでしょうか?いろいろな天体写真を掲載されています。