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3月3日は桃の節句、ひなまつり特集


学問の神様と言われる菅原真公をモデルに男児誕生の初節句の雛人形として、全て手作りでつくられている民芸品のことなんじゃよ。
[進学、就職祈願などの
 縁起贈り物としても使用されています。]
美作地方(作州)のねり天神は、泥をかためただけの人形で、焼いたりしないのが特徴なんじゃ。なので、泥天神、泥人形とも呼ばれておるのじゃぞ。
美男で頭が良く、学問・歌・書に優れていた人物とされています。ねり天神って、こんなふうに成長してほしいという願いが込められた人形なんじゃ〜。

泥天神は植月村(今の勝田郡勝田町)を発祥の地とし、津山、久米などで作られておったが、現在では津山市だけとなってしまったんじゃ。さみしの〜。

ところで、なぜ泥で天神様を作るのかというと、古くから、この地方では3月の節句に、男の子にねり天神を贈る習慣があるのじゃが、知っておったか〜?その、3月の節句に天神様を飾った後や、古くなったり壊れたりした天神を川へ流す習慣があったので泥で作っておったようじゃ。

川に流された天神様は、焼かれていないため水に溶けやすく、跡形もなく自然の土にかえるんじゃ。なんだか素敵じゃの〜。
津山ねり天神の特徴は、粘土に和紙の繊維を練り込むんじゃよ。その粘土を前後ふたつの型で胴を抜き生乾きで型を抜くんじゃ。その後、前後を和紙で張り合わせ、乾燥させ彩色するんじゃ。あともうひとつの特徴は、頭部が差し首になっていることじゃ。別の型で頭部を作り、胴に差して完成じゃ。
津山ねり天神は、かつては何人もの制作者がいたようなのじゃが、今では「山根公芸社」の山根さんだけとなってしまったんじゃ。寂しいことじゃの−・・・
津山ねり天神が男の子誕生を祝って贈られたように女の子誕生を祝って贈られたのがこの地方の津山立びなじゃよ〜。誰にでも愛され、また誰にでも作ることができる、素朴で味わいのあるお雛様。それが津山立びななんじゃ。そのことがひろく愛されている由縁なんじゃな〜。素敵じゃわい。

津山ねり天神職人の山根正子さんのお宅にお邪魔しました