横野 手漉き和紙体験~上田手漉和紙工場~
美作一宮中山神社付近から谷に向かって次第に深く入っていくと、横野滝からの清流に育てられた「紙郷」上横野に横野和紙の手漉き工場「上田手漉和紙工場」があります。
▲7代目の上田康正さん/1日に300枚漉かれるそうです。
横野手漉き和紙は美作地方で採れる原料のミツマタを使い、強くて美しい光沢、加えて野性味のある素材さなど 国際的にも高く評価されています。
手漉き和紙は金箔の間に挟む箔合紙 (はくあいし)として多くが京都や金沢へ出荷されています。 金箔の伝統工芸にとって横野の和紙は大変貴重なもの。仕上がった金箔を1枚ごとに挟む紙で切り紙とも呼ばれ、金箔をこの箔合紙に挟んでおくといつまでおいても紙に箔が付着することなく、混じりが入り難い特性をもっています。
昭和30年代には紙漉き屋が8軒あったそうですが、今は3軒だけになってしまったそうです。
現在も伝統工法を守る上田手漉和紙工場では、紙漉きの見学や手すき体験(要予約)ができるので、自分だけの和紙づくりに挑戦してみよう!
(情報提供:上田手漉和紙工場)
源流をたどれば、欽明天 皇16年(555)に吉備五郡(今の県北津山地方)に白猪屯倉(しらいのみやけ)がおかれ、 住民の戸籍がつくられました。戸籍や田籍をつくるのに紙が造ら れはじめたといわれます。 正倉院文書によると美作紙は神亀5年(728)のころ、紙名のついた11か国の中に入りました。 国府に直結した紙郷といわれる所で、現在残っているのが7か所となりました。津山市上横野はその1つです。 美作紙の名は中世、近世を通しよく知られるようになりましたが、現在はこの上横野以外は姿を消しました。 上横野は津山の中心に近いのですが、美作一宮中山神社付近から谷へと次第に深く入ったところにある 奥の滝からの清流に育てられた紙の里です。 現在でも原料のミツマタの産地としては大蔵省印刷局 納入日本一です。 箔合紙づくりの特産地として、よく知られていますが、 初代上田長吉は文化年間に津山松平家の御用紙を漉くことを拝命、以来上田繁男さんが6代目を継承し、 横野和紙の技法を守っておられます。(手すき和紙図)
DATA
上田手漉和紙工場
津山市上横野1874 TEL.0868-27-0960
●営業時間/紙漉き体験(土曜日)10:00~12:00、13:00~16:00
●休日/日曜日
●交通アクセス/中国自動車道津山IC・院庄ICから車で約30分
●駐車場/あり