神楽尾城の悲話・千場三郎左衛門の霊鬼
神楽尾城の悲話
毎年、お盆に土居家では、門外の野辺で夕方から高万灯を掲げて火をともす行事が行われてきた。万灯ではなく長い竹又は木の棒の先に松明などを結わえ付けたものである。松明の中に籾殻や鋸くそなどを入れて火の粉が散るように工夫したものである。いつの時代に始まったかわからないが、この地方では大正の頃まで行われてきたそうである。無縁仏へ供えたのであるが、特に土居家では無縁仏はもちろんだが、霊になって出た千場三郎左衛門との約束を守るためにも行われてきたのである。(文:『美作の中世山城神楽尾』より)