大畑大師堂(加茂郷88カ所霊場第20番札所)

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 創建年代は不詳である。堂内に残されている仏具の箱の蓋の表には「天保〇年十月、因洲大東郡大工」とありこのころ一度改築されており、間口二間、奥行四間萱葺き屋根のお堂となり地区の集会場と兼用で使われてきた。戦後、屋根をセメント瓦葺きに改造しているが、堂全体の老朽化と手狭なため昭和47年ごろ公会堂が別に新築されてからしばらくの間はそのまま放置されていた。屋根、壁、窓などの傷みもはげしいので昭和60年ごろ全面的な修理が行われたので、それまで地区の年配の女性の間で毎月20日個人の家を持ち廻りで開いていたお大師講がここで開かれるようになり今も続けられている。堂内には「明治3年6月14日没夏山妙清信女位」と記された簡素な木脾が残っている。
阿波村字薬師堂1701

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今回も案内くださったのは小中原の木元林造さんです。

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入口に打ちつけられている木札の文字は判読が難しいが、ここも加茂谷88ヶ所霊場の一つであった。

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本尊は薬師如来(木彫蓮華台立像、高さ45㎝を厨子に納める。)側に金泥を施した木彫仏坐像一体、右側に高座の弘法大師坐像を祀る。(文:『阿波村誌』より)(2022年10月4日撮影)