下沢釈迦堂(加茂郷88ヶ所霊場第15番札所)

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 創建年代は不詳であるが堂脇にあった銀杏の老木からみてかなり古い時代からここに建てられていたようである。
 堂は下沢地区の中央にあり、下沢公会堂が別に昭和52年に建立されるまでは、すべての集会・地区行事の時には堂内が使用されたので30有戸全員の集合できる広さがあった。
  百万編念仏・二夜三日念仏には当番が世話をしておにぎり煮物を持ち寄り、高福寺より大きな数珠を竹ノ下と交代で若衆が担いで帰り、堂内で輪をつくり念仏や心経を唱えながら数珠廻しの行事を行った。この行事は太平洋戦争中に中止された。
  加茂阿波88ヶ所霊場巡拝が盛んな頃は札所とし賑やかに利用さえた。現在のお堂は近年再建されたものである。
 堂脇の銀杏は周囲が4mからの大木で秋には黄金の葉色が殊に輝き阿波村入口の名木として村民から愛されていたが、人家の屋根の上まで枝が広がり古木のため台風や積雪による予期せぬ災害のおこることも憂慮して、阿波村はついに昭和55年惜しみつつ伐採したため堂は孤立し淋しくなった。
本尊は釈迦如来(金色木彫蓮華台座像、高さ53㎝を厨子に納める。)左側に弘法大師を並べて祀る。

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下沢釈迦堂

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本尊は釈迦如来(金色木彫蓮華台座像、高さ53㎝を厨子に納める。)左側に弘法大師を並べて祀る。

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下沢釈迦堂(文:『阿波村誌』より)(2022年9月21日撮影)