「勝間田焼復活会」グループ展
本日は「勝間田焼復活会」グループ展にお越しくださいまして、誠にありがとうございます。
勝間田焼きは平安時代末から鎌倉時代にかけて美作地域一帯で使用された焼物で、勝間田盆地の山間部一帯を主な生産地として発展した、青灰色で非常に硬質な焼物です。椀・小皿の食器類からこね鉢等の調理具、壷・甕等の貯蔵具など多様な製品を焼成しており、主に美作地域一帯から山陰地域にまで広域に流通していました。しかし、鎌倉時代までで生産されなくなり、記録等にも残っていないことから幻の陶器と称されています。
この幻の勝間田焼の復活を目指し、矢野清和氏が発起人となり有志を募って勝間田焼復活会を結成しました。2014年にノースビレッジ内の炭窯を改良した穴窯で第1回の窯焚きをしましたが、目的とする焼き物には程遠く、勝間田焼を復活させるには当時の窯を参考に新たに窯を作る必要に迫られました。そこで候補地を模索する中で勝央町の協力を得て、ノースビレッジの北斜面に窯を作ることにしました。当時はまだ原野でしたが地元の方々や賛助会員の協力を得て、現在の窯「青勝窯」を築窯しました。資金の乏しい中、薪の調達は勝央町の製材所の方や松くい虫の害で切り倒された木をもらい受けて、私たちで玉切り、薪割をしました。粘土は勝央町黒土、勝央町福吉のほか試験的に他の地方のものを使って作陶しています。
今年で「青勝窯」の窯焚きは3回目となリましたが、レンガの目地のセメントが溶け落ちたり、温度がなかなか上がらなかったり、大くべした後に蓋が外れて空気がはいり作品の色が備前焼に近い色になるなどいろんなトラブルもありましたが、何とかここまでこぎつけました。
今回はメンバー6名各々が思いを込めた個性のある作品を展示しております。
まだまだ未熟な私たちではありますが、ご高覧いただきましてご批評・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ではございますが本展示会に際しまして、会場、後援でお世話になりました勝央町役場およびその他関係者の方々にお礼申し上げます。 平成30年6月27日 勝間田焼復活会会員一同
花器 花器(WALK) 花器
勝間田焼の花器
勝間田焼きが出来るまでのビデオコーナー
手前の大きな壺は「出雲街道」のネーミング 金色に輝く湯飲みが偶然できたそうです。
朴葉皿
勝間田天神や左馬茶碗 二輪挿し
勝間田焼
矢野清和さん 奥田福泰さん 竹内眞介さん
泉水良通さん 奥西文寛さん 河野吉雄さん
(2018年6月29日撮影)