
津山の今昔を辿ってみました。(1)

新高倉稲荷神社(西今町)

勝央美術文学館では、夏休み向け企画展として、画家で絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展を開催します。木と人といのちのかかわり、そしてその豊かさをテーマに創作しているいせさんの、卓越した技術で描かれた瑞々しい絵本原画120点を一堂に紹介いたします。旅先での入念なスケッチをもとに丹念に描かれたその作品たちは生命の賛歌にあふれ見るものを魅了します。この夏休みに是非、ご家族や大切な方とご一緒にご覧ください。勝央美術文学館 館長 竹久 保(2017年7月29日撮影)
いせひでこ/画家、絵本作家
1949年北海道生まれ。『ルリュールおじさん』(講談社)講談社出版文化賞絵本賞、『水仙月の四日』(偕成社)産経児童出版文化美術賞、他受賞作多数。東日本大震災のあった2011年には、子どもたちの未来に祈りをこめて『木のあかちゃんズ』(平凡社)を緊急出版。被災した飯館村の子どもたちにワークショップを行うなどの活動をおこなっている。宮沢賢治とゴッホの研究、スケッチの旅での出会いや実感から、絵本やエッセーを発表しつづけている。
第1会場(町民ギャラリー)『チェロの木』2013/偕成社
『チェロの木』によせて
絵と音楽の結婚のような絵本が描きたいと思いつづけてきた。
13歳のとき、チェロは天から降ってきた。以降現在にいたるまでほそぼそと弾きつづけている。34歳のときには、偉大なチェリスト、カザルスの魂に導かれるようにピレネー山中の村プラードを訪ねた。それからいくつもの国境を越えてたくさんの風景を歩いた。私は絵描きになっていた。
スケッチをしていると、色とことばと音の境がなくなっていくような感覚におちいる。手から生み出された線や色、それは記憶以前のものから生れてくるのかもしれない。スケッッチを続ける旅のなかで、どうしても私の手がひきつられるモチーフがあった。それが木だった。雪をかぶった切り株や、私をころばせた大きな根......。いつしかスケッチ帖は木々でいっぱいになっていった。
やがて描きためたスケッチ帖の中から、静かな音楽が滲み出てきた。それはあまりにもピアニッシモだったけれど、それこそが私がほんとうにたいせつにしたい音だと思えた。
その音を懸命に聞きとるようにしてこの絵本を描きました。
絵と音楽はひとつになれたでしょうか。
いせ ひでこ
絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展
絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展『わたしの木こころの木』2014/平凡社
第1会場(町民ギャラリー1)『まつり』2010年/講談社
絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展
第2会場(展示室)『大きな木のような人』2009/講談社、『ルリュールおじさん』2006/講談社
絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展
絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展
第3会場(特別展示室)絵本作家のいせひでこさんの絵本の原画展
第3会場(特別展示室)『おさびし山のさくらの木』2015/BL出版
第3会場(特別展示室)『海のいのち』1993/ポプラ社
フリースペースには、公募展に応募された可愛い子ども達の絵が飾ってありました。