高貴山 奥之院 宗傳寺(美咲町)

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第十五番 高貴山奥之院 宗傳寺
 宗傳寺は開創盛時、七間四面の本堂をはじめ七堂伽藍が整い、支院は七十二を数えた作州の名刹であります。弘仁六年(815)弘法大師御年四十二才の行脚の折、美作和気郷に仏法弘通の霊地があるのを見定められ、国家鎮護の祈願所として一宇を建立、行基菩薩の御作開眼仏なる六観世音像の安置された霊験あらたかなる聖地であります。
 当山鎮守「高龍権現」は弘法大師入唐の時、育王山清瀧寺鎮守高龍権現に誓願、帰朝の後当山に勧請されたものと作陽誌にあります。元弘二年(1332)後醍醐天皇隠岐にご遷幸の途次、当山にお立ち寄りになられたと伝えられており、南麓には「古御帝」の遺跡があります。
 文安元年(1444)尼子の兵火に罹り堂塔悉く焼失し、唯塔頭「自性院」(現華蔵寺)のみ南麓に下りて草庵を結び、難を免れた聖観世音菩薩を本尊とし、「高貴山華蔵寺」と号して法灯連綿と継承しております。

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境内と参道

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 宗傳寺本堂跡にあった御堂は、昭和十三年に奥之院として再建され、平成八年阿弥陀堂新建立、平成十四年に寺号「高貴山宗傳寺」の復称を許可されました。古くは西京仁和寺・宇多天皇御開山、御室御所の直末で十六菊の御紋章と櫻に二本棒の御定紋を許可されており、その跡が諸処に散見できます。
 平成二十六年には開創千二百年をお迎えいたします。(文:『高野山真言宗美作八十八ヶ所霊場』より)

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本堂

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境内

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境内

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(2019年10月14日撮影)