【津山人】彫書家 彫無季
彫無季(本名河野省三・1904~1992)は明治37年岡山県苫田郡津山町三丁目(現津山市本町三丁目)に生まれました。大正9年(1920)岡山県立津山中学校を中途退学し、2年余り中国上海に遊学しました。同13年(1924)帰国ののち上京し、翌年東京蔵前工業専門学校に入学しましたが、2年後に中退しました。
その後、叔父の経営する工場の仕事を手伝いながら、独学で中国の拓本などを学習しつつ、自らの書の工芸を模索しつづけました。そして、ついに書と彫刻が一体となった彫書という新しい芸術を創造しました。
昭和29年(1954)初の「彫書」個展を開催、以後個展の開催や各種揮毫、著書の出版など縦横無尽に活躍しました。また、昭和41年(1966)には淳和会を発足させ、後進の指導にも努めました。平成4年東京で没。享年87(文:平成18年3月18日津山市教育委員会「彫無季の芸術」より)(写真:津山郷土博物館特別展図録『彫無季の芸術』より転載)
彫書「聖哲」 彫書 上:彫書 下:画額 彫書「察」
(写真:津山郷土博物館特別展図録『彫無季の芸術』より転載)
山号額「高室山」昭和60年(愛染寺) 記念碑「上徳」平成5年(津山郷土博物館)
揮毫「月見ればこよひなりけり旅の空」 神号額「武蔵神社」(美作市武蔵神社)
昭和57年(聖徳寺)
以下は弟子の齊木丘菫書
齊木丘菫書 風月軒
風月軒の中に飾られている齊木丘菫書
齊木丘菫書 清涼軒