鍬形蕙斎が描いた「津山景観図屛風」
春はつやま2026津山郷土博物館企画展「江戸一目図屏風実物展示~鍬形蕙斎と同じ時代を生きた絵師たち~」が令和8年3月28日~5月6日まで、津山郷土博物館の3階で開催され行ってきました。
津山松平藩御用絵師の鍬形蕙斎(くわがたけいさい)が描いた「江戸一目図屏風」の実物と津山城下を描いた六曲一双の「津山景観図屏風」(市重要文化財)の右隻(縦1.50m、横3.58m)、あわせて、蕙斎と同じ時期に活躍した葛飾北斎や歌川広重、菊川英山などの浮世絵や版画(津山洋学資料館所蔵)が展示されていました。内容が盛り沢山なのでここでは、「津山景観図屏風」について紹介してみます。(2026年4月12日撮影)
★写真左:藩の米蔵と年貢
藩の米蔵(川戸御蔵)と、年貢を納入に集まる人々。 吉井川のあちこちに米俵を積んだ高瀬舟が描かれ、秋の情景を切り取っている。
★写真右:出掛る人々
きらびやかな着物を着た3人の女性。紅葉狩りに行くのであろうか。 最後尾は荷物持ちの従者と思われる。
★写真左:鶴山通りの入口
南側から鍛治場橋(現在の今津屋橋)を渡った鶴山通りの入口。町と町を仕切って、夜には閉じられる関貫(木戸)がある。
★写真右:吉井川沿いの荷置き場(吹屋町付近)
置かれているのは材木だろうか。奥には職人の姿も見える。
★写真左:水車舟
水車小屋に加え、吉井川には4艘の水車舟が浮かぶ。ロープで陸に繋留され、農業工業用の動力として機能した。
★写真右:大砲の訓練場(鉄砲町南)
大砲を米俵のうえに据え付け、左の人物はほら貝を吹いている。18世紀以降、吉井川に向け砲撃訓練を行った。
★写真左:妙願寺本堂の屋根(桶屋町)
江戸時代は高い建物が少なく、城下町中心部で妙願寺本堂はひときわ目立つ建造物であった。
★写真右:京橋門
京橋門は津山城の玄関口で、現在もその石垣が残る。宮川大橋から京橋門の前を出雲街道が通り、江戸時代のメインストリートだった。
★写真左:漁をする人々
肩からカゴを背負い、釣りか投網をしているところであろう。
★写真右:宮川大橋を行く人々
東側から一人の武士とその従者が橋を渡る。すれ違おうとするのは浪人であろうか、異質な雰囲気が感じとれる。
漁をする人々 展示風景
★写真左:小鳥と蜘蛛 鍬形蕙斎(津山洋学資料館蔵)
「蕙斎筆(印「紹真」)」とあるため、津山藩のお抱え絵師となった寛政6年(1794)以降の作品。蜘蛛を狙う躍動感溢れる小鳥(燕カ)が描かれている。
★写真右:略画苑 文政6年(1823)鍬形蕙斎
年中行事を月ごとに絵で紹介した版本。少ない筆数で人々の動きをいきいきと描いている。
左面は暖かくなり蚊帳やうちわ、笠を売る様子を、右面は春の茶摘みや初夏の麦つきを描く。略画とは、人物や動物などをユーモアあふれる軽妙なタッチで描き出す画法。蕙斎の略画は当時の江戸で人気を博し、北斎が手掛けた「北斎漫画」にも強い影響を与えた。