津山郷土博物館ミニ企画展「世界の布Ⅰ―インドネシアの 絣 ―」

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 津山郷土博物館ミニ企画展「世界の布1-インドネシアの絣」(令和2年12月12日~令和3年2月14日)が、郷土博物館3階展示室の一部に展示してあります。
 インドネシアは 10,000 以上の島々からなり、異なる言語と習俗をもつ 200 以上の民族によって構成され、その多彩な文化が布にも現れています。インドネシア語で「ろうけつ染」という意味がある「バティック」と、同じくインドネシア語で「括(くく)る」という意味のある「イカット」はそれぞれ世界共有の専門用語となっており、いかにインドネシアの布が世界的に人気があるかわかります。
 今回は多彩なインドネシアの布のなかから、主にスンバ島の絣(イカット)を中心に展示します。(文:津山郷土博物館チラシより)

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 鶴山の石垣に映える桜の木が美しく感じるほど良い天気に恵まれた2021年1月16日に、インドネシアの絣が展示してあるとのことで、津山郷土博物館に伺ってきました。本当に緻密で色鮮やかな絣にインドネシアの文化の豊かさを感じました。

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大きな龍の文様がある。龍の文様はインドや中国の影響をうけていると考えられている。

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絣(イカット) インドネシア スンバ島
 男性用の腰巻。大きな海老の文様があしらわれいる。脱皮のたびに大きく成長する海老には超越的な生命力があるとの信仰があり、海老の文様は生命の復活を象徴しているといわれる。

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浮織絣(パフドゥ イカット) インドネシア スンバ島
 中心部は絣で、左右の人物紋は浮織を用いている。肩にかけて使用し、その文様によって自分がどの部族なのか示したと考えられている。

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絣(イカット) インドネシア スンバ島
 男性用の腰巻。着用方法はインドネシアの他の地域と異なり、縦に二つ折りにして腰に巻き、一方の端は前に長くたれ下げる。2枚を縫い合わせており、天上界の象徴と考えられている鶏の文様が見える。

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絣(イカット) インドネシア
 絣には経糸(たていと)のみに染め斑のある絣糸を用いた「経絣」、緯糸(よこいと)のみに絣糸を用いた「経緯絣(たてぬきがすり)」(ダブルイカット)の技法がある。この作品は、グリルイカットと呼ばれる「経緯絣(たてぬきがすり)」(ダブルイカット)で、模様合わせが大変難しく貴重なもの。

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絣(イカット)

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絣(イカット) インドネシア
 祖先を示す文様と考えられる。儀式などで用いられた。

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絣(イカット)
(文:津山郷土博物館説明版より)(2021年1月16日撮影)

同時開催ミニミニお正月展「ー子から丑へー」
令和2年の干支、子(ね)と令和3年の丑(うし)にちなみ、ねずみや牛に関する作品を展示します。