
森の芸術祭「作州民芸館」

森の芸術祭「衆楽園」

第25回 作州の民芸ものづくり展

アニマルズ・パラダイス(寺町耕舎)

森の芸術祭の会場となっているのが、ここ「作州民芸館」で、5人のアーティストの作品が展示されています。圧巻なのは、2階展示場ですが、一番大きな部屋いっぱいに飾られているのは、スミッタ・G・S《幸福》2024で、とても緻密な作品です。そのほか、地元の作家さんたちの作品が展示されてい見どころ一杯です。(各作家のプロフィールは、森の芸術祭岡山公式HPより転載させていただきました。)
作州民芸館の建物は、明治42年に土居銀行として建立されましたが、その後、銀行の合同により昭和5年に中国銀行へと変遷(へんせん)しました。建物は、日本塩回送会社、吉井川漁業組合等に所有権が移りましたが、平成4年に津山市が取得し、作州民芸館として活用することになりました。
スミッタ・G・S《幸福》2024
ケララ州コーリコードのマラバール地方(インド)出身。
独学のアーティストで、幼少時代に周囲にあふれていた自然のメロディーの記憶に影響を受け、動物たちや自然の緻密な美に焦点を当てた作品を制作している。
新型コロナウイルス感染症によるロックダウンも大きな変化をもたらし、自宅に籠っての制作の中で、幸福感に満ちた宇宙の創造に取り組むようになった。
窓にはキラキラのビーズが飾られています。
ムハンナド・ショノ《意味を失うことについて》2024
1977年、リヤド(サウジアラビア)生まれ。
民間伝承やスピリチュアルな言説、神話、都市伝説などを参照しながら、スケールや媒体、コンセプト、テクノロジーの枠にとらわれない作品を制作している。大学で建築を専攻したショノの創作活動には、既存の線引きを問い直し、その可能性や解釈を探究する態度が表れている。
難波香久三《山を畏れる自像ーくえびこの神と共に》1976
1911年、現在の岡山県真庭市勝山地区生まれ。(1996年没)
大阪府の吏員として働きながら関西大学夜間部を卒業した後、中之島洋画研究所で研鑽を積む。戦前は二科展などに出品し、岡本太郎や吉原治良らが結成した九室会に参加、高い評価を受けた。戦中から戦後すぐにかけて勝山に戻ったものの、その後東京に移り、教員をしながら制作、行動美術協会を中心に出品。
川島秀明《Guide》2023
1969年、愛知県生まれ。
1991年東京造形大学卒業後、1995年から2年間比叡山延暦寺での仏道修行などを経て、2001年アーティストとしての制作活動を開始した。活動初期より川島は一貫して自意識と向き合い、顔、そしてそこに現われる繊細で複雑な感情を描き続けてきた。川島作品を観る者は、うっすら塗られた色のグラデーションの巧緻さと、時に強く、時に憂いを帯びた魅惑的な眼や表情に引き込まれ、自分とどこか繋がる部分があるような、心揺さぶられる感情を覚えるだろう。
作州絣が飾られた部屋です。
竹で作られた動物たちです。
染谷悠子 展示風景 2024
1980年、千葉県生まれ。
2004年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業、2006年東京藝術大学大学院版画専攻修了。2004年町田市立国際版画美術館の全国大学版画展で、収蔵賞/観客賞を受賞し、作品が収蔵された。主な個展にRichard Heller Gallery(2014年、サンタモニカ、アメリカ)があり、小山登美夫ギャラリーでは、2007年、2010年、2013年、2017年と4度の個展を行っている。
作州民芸館