保田扶佐子アンソロジー展ワークショップ「抽象画への誘い」
津山市とスペイン・バルセロナを拠点に活躍する画家・保田扶佐子さんの「アンソロジー展」が、山下の津山文化センターで行われ、期間中の2024年8月10日(土)ワークショップがあり、同じく津山出身で、林檎の会代表、臨床美術士の河本倫子さん(美術教育に携わる一方、国内外にて芸術活動を展開)が講師を務め、大人や子ども約20名がオイルパステルで初めての抽象画に挑戦しました。(このワークショップは大盛況で定員を大幅に超え、参加できなかった方も多くおられました。)
河本先生に誘導されながら、思いのままに描く参加者達です。
人は感じる
説明されて理解するというのではない
ただ感じる
意味はない 無意味が良いのです
その時 人は自由になれる
解き放たれる
令和6年7月 保田扶佐子
真剣に取り組むみなさんです。
大人顔負けの子ども達の作品に感動しました。
保田扶佐子さんも会場内を回りながらアドバイスされています。
素敵な抽象画の作品が出来つつあります。
河本先生も会場内を回りながらアドバイスをされていました。
とても楽しそうな保田扶佐子さんです。
情熱的な絵が完成しております。
みなさんの作品を展示して説明を受ける生徒達です。
来場者のみなさんと話す保田さんです。
保田扶佐子アンソロジー展ワークショップにて。
DM
保田扶佐子アンソロジー展によせて
保田扶佐子さんは、津山で生まれ、津山で育ち、津山高校から岡大へ行き、そこで絵の世界へ入られ、その後、毎年のように日本とスペインを往復しながら40年が経ちます。日本とスペインの双方で活躍しておられますが、もうそろそろ津山に落ち着いてもらおうと思っています。
その間の作品も沢山あります。これ等の作品を津山の宝としてどのように残していけるのか、子ども達の感性を磨き、絵の素晴らしさを伝え、子どものころから絵に学べるように、大人たちが責任をもって次世代にどう繋げていけるのかご理解いただいて、どうぞ公立美術館の設立に向け皆様方のお力をお貸しいただきたい。
また、津山から多くの画家が排出されていますが、地元の人にはほとんど知られていないのが現状です。そこで一昨年は「日原 晃 回顧展」を開催してきました。例えば、津山出身の世界的な画家の有本利夫がいるが、残念ながら有元利夫を知る人もないし、その作品が津山にはほとんど残っていないのが現状です。我々ユニットもそれぞれ美術館をやっているが、本格的なものではないので、是非公立美術館の設立を津山市にお願いしたい。
谷口 圭三(津山市長)
津山市は沢山の芸術家を輩出しているが、皆さまの熱い思いをいつまでも検討しているわけにもいかないので、今しばらく猶予を頂き、私共も文化の薫り高い津山の街づくりを進めて行きたいと思っております。また、改めましてお示しさせて頂きたいと思っています。
保田 扶佐子(抽象画家)
このアンソロジー展は、作品を見返す良いきっかけになりました。思い返せば、絵だけでよくも生きてこれたなぁ~と思いました。私がここまで来れたのは、メセナとなってくれた人達がいてくれたお陰です。また、心の支えになってくださった人、私の絵を買って支えてくださった方のお陰で、ここまでやってこれた事に感謝申し上げます。とりわけ、郷土の方々には特にお世話になりました。この展覧会が、生まれ育った郷里で出来ることに感謝申し上げます。
この会場に120点を持ち込んだのですが、その中の30点を展示させてもらいました。この会場は私の憧れの場所だったのだけど、いざ作品を入れてみると、会場は狭い、天井も低い、という不備があります。これは美術館がいるな~と身をもってひしひしと感じます。
これからの人生は絵を描きながら、微力ではありますが、公立美術館の開館に津山アートミュージアムユニットの皆さんと取り組んでいきたいと思います。
中島 完一(津山市議会議長)
恥ずかしいけれど、初めて拝見させていただきました。どの作品を見ても、素晴らしい感性の作品ばかりでどれを見ても素晴らしく感じます。市長とともに頑張って参りたいと思います。
保田さんの作品の特徴は、思わず人を引き込みその中に入ってしまう作品だと思います。私はそれを保田マジックと呼んでいます。
特筆するべきは、理性を念頭に置きながら、描くときは感性で画く。その切り替えが出来る。それが他の人にはなかなか出来ない。
保田さんは28歳から美術の世界に入られたのは比較的遅いのですが、津山は絵の盛んな豊かな土地柄だった。それに灯をともす人がいなかったが、それに灯をともしたのが保田さんです。ヨーロッパの芸術文化の伝統をつかみ取られて、それを津山に持ち帰ることは、余人には真似のできないことです。今日は保田マジックを堪能しましょう。
野上洋子(岡山県歌人会会長)
私が保田先生の絵と出合ったのは20年前でした。絵の大らかさなど、その絵に引き込まれてしまいました。
保田先生はその時すでに、スペインのバルセロナで名声を確立しておられ、「ピカソ美術館に作品が収蔵されているのに、なぜ、津山に保田美術館なのですか?」と言うと、先生は、「具象的な絵に比べ、抽象画はまだまだ皆さんに浸透していない。その為には1ミリでもいいから、この故郷に文化的な貢献が出来たらいいなと美術館を作った。」とおっしゃられ、先生の郷土に寄せる思いに感動しました。
ユニットの作品展では圧倒されるばかり、前回の「日原 晃 回顧展」は心にずしりと刺さり、もう一度拝見したいと思っても、どこに行っていいかわからなかったので、いつでも足を運べる美術館が欲しいと思います。津山は城下町です、もともと文化の香りの高い津山ですので是非とも美術館がほしいと思います。
八木 泉(抽象画家)
先生の大ファンで個展のたびに足を運ばせていただいています。
保田扶佐子美術館設立の時に初めて拝見して、動きのある力強い線に圧倒されてしまいました。先生と出会えたことが幸運と思っています。先生の作品を拝見してすごい刺激を受けました。
私も先生を目指して、自分の世界を描き続けていきたいと思いました。これからもワクワクドキドキする作品を描いてください。