五輪塔(安井)

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 石造遺物の中で一般的に良く知られているのがこの五輪塔である。五輪塔は仏教の五大思想の教えによる宇宙観を表し、地・水・火・風・空の五つから成り、始めは密教の塔として現れたが、後に広がりを見せて全国的に分布している。
 時代の見方としては初期のものは円形(水輪)の作りがおしつぶされた形をし、全体的に安定感を感じられる。
 鎌倉時代後半より大形の五輪塔が現れるが、その後室町時代に入ると小形なものが数多く造られるようになる。
 埋葬地の上に建てる石塔を墓塔というが、五輪塔は本来堂宇の落成仏像の開眼時の供養のために建てられたものが、時代が下がるにしたがい墓塔化するようになってくる。
 室町時代に一石で造立されたものを一石五輪塔と呼んでいる。なお慶長年間あたりまでは一石五輪塔の造立は続くが江戸時代に入ると消滅してくる。

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五輪塔(安井)
寸法 高さ178cm
造立年代 不詳

(2019年2月2日撮影)

一石五輪(西上)

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一石五輪(西上)
寸法 高さ42cm
造立年代 不詳

(2019年2月2日撮影)

五輪塚(西上)

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五輪塚(西上)
寸法 高さ cm
造立年代 不詳

(文:勝北公民館発行『勝北むらの石仏』より)(2019年2月12日撮影)