津山洋学資料館夏季企画展 箕作博士の水族館
箕作佳吉は、1857(安政4)年に津山藩の江戸上屋敷で生まれました。この前年、祖父の阮甫は洋学の研究・教育機関であるはん蕃書調所の教授職となり、佳吉の幼少期には、父 秋坪が翻訳方として2度ヨーロッパへ出張、二人の兄もイギリスへ留学します。
洋学者一家に育った佳吉は、17歳でアメリカへ留学し、エール大学とジョンズ・ホプキンス大学で動物学を学んで、帰国後26歳で東京大学の日本人最初の動物学教授に就任しました。そして53歳で亡くなるまで、臨海実験所の建設や動物学会の再建に尽力し、多くの弟子を育成して、日本における近代的な動物学研究の確立に功績を残しました。
その功績の大きさを反映しているのが、佳吉にちなんで名づけられた生物たちです。多くの学者たちが、佳吉への敬意や親愛を表すため、新しく発見した生物の学名・和名を佳吉に献名しているのです。
今回の企画展では、魚類を中心に佳吉にちなんで名づけられた生物約20種類をパネルにして紹介しました。(文:津山洋学資料館)