
知新館の土蔵「家引き」で大改修

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平成10年10月に国の登録有形文化財となった「知新館」は、岡山県北の城下町津山市の南新座に伝わる武家屋敷で、第35代内閣総理大臣平沼騏一郎(1867~1952)の別邸として建てられたものです。
土蔵は木造二階建桟瓦葺、塀は土塀桟瓦葺、また表門は腕木門桟瓦葺であり、中級武士住宅の典型的な形態をとった建物です。
その中の土蔵の基礎が古くなり、土蔵自体が傾いてしまったので修復をすることになりました。修復の方法は家曳き移動です。建物を基礎から切り離し、その下にレールとなる鋼材を敷きこんで、その上をゆっくりと移動させ、その後、再度基礎の上に家を据える方法です。
(2022年1月28日・4月4日撮影)
ジャッキアップを行い、建物を浮かします(隣の駐車場まで移動した知新館の蔵です。)
家の土台と基礎を切り離してジャッキアップを行い、基礎の代わりとなる架台を設置。
井桁に架台を組み上げ、建物全体のレベル調整を行います。
その後、土台下にレールを送り込み、移動用のローラーを使用して建物を移動させます。
土台をH鋼またはレールで根固めし、油圧ジャッキを集中管理して揚家しています。
油圧ジャッキが沢山並んでいます。
基礎を新設したり、補強をします。
綺麗になった基礎です。
ベテランの棟梁が何度も点検をしています。
慎重に水平をだしていきます。
油圧ジャッキを集中管理し、レールの上には、コロを敷きます。
その後、土台下にレールを送り込み、移動用のローラーを使用して建物を移動させます。
手でギアを動かしているのを見たのは初めてで、しかもスムーズに移動したのに感動しました。
ほとんど元通りに移動した知新館です。
移動後にレールを引き抜き、土台を新しい場所の基礎に固定して完了です。
補修を終えた知新館蔵です。