お霊供膳・供具団子について

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お霊供膳(おりょうぐぜん)の供え方について
 これはあくまで清瀧寺の流儀ですので、他の地方、宗旨では違う方法かもしれません。それぞれの習慣に従ってお供えされるとよいでしょう。
 法事、お盆などの行事の際にお供えする、お霊供膳について、その一例をご紹介させていただきます。どうぞ参考にしてください。
「お霊供膳」とは、先祖の精霊(しょうりょう)にお供えする膳のことで、年忌法事、お盆、お彼岸、または祥月命日にお供えします。
 お霊供膳は、それぞれのご家庭に代々伝わっている献立、また地域、地方の習慣など大切に守り伝えねばならないこともあろうと思います。この一例をご参考にしていただき、平素からの仏壇の荘厳、また法事の祭壇の荘厳に、より一層の真心をこめて努めていただければ、何よりの先祖に対する報恩行になることと思います。

                              【本尊様・ご先祖様】

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清瀧寺は壺椀が真中になります。                 【自分】

 五つのお椀(写真①~⑤)を使い、そしてお箸を添えて、そのお箸のある方を本尊様側、ご先祖様側に向けて供えします。(図①参照、各お椀の配置も)
 それぞれのお椀の名称と食材献立の一例をご紹介しましょう。
①飯椀(めしわん)には、ご飯を丸く盛ります。白いご飯でも赤飯でもかまいません。または「山菜おこわ」でもいいでしょう。ただし肉は使用できません。
②汁椀(しるわん)には、豆腐、ワカメなどの味噌汁、またはすまし汁をお供えします。ダシはとらずに味噌、醤油だけの味付けにしてください。
③壷椀(つぼわん)には、煮豆、おひたし、または酢の物などをお供えします。
時々、壷椀にお茶をお供えされている場合がありますが、お茶は膳とは別に湯呑みでお供えされる方がよろしいでしょう。
④平椀(ひらわん)には、高野豆腐、椎茸、人参、カボチャ、ふきなど精進の煮物をお供えします。味付けはいたしません。お供えをするのは三種類、または五種類と奇数になるよう心掛けてください。また、この煮物の煮汁を汁椀に利用されても結構です。
⑤高坏(たかつき)には、香の物、果物をお供えします。時にはゼリー、饅頭などのお菓子をお供えされてもかまいません。または壷椀に酢の物を使用しなかった場合、ここに酢の物をお供えされるのもよいでしょう。
 以上、ご紹介いたしましたのは、献立の一例ですが、お供えされる際に、次のものは精進になりませんので、使用しないようご注意なさってください。
①肉、魚、卵など、またそれらが使用されているかまぼこ、ちくわなどの加工食品。
②ネギ、たまねぎ、ニンニク、ニラ、ラッキョなど、野菜とはいえ、五辛(ごしん)とよばれる匂いの強いもの。

2016年7月10日

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東寺真言宗 清瀧寺の住職から半紙の折り方を教わりました。


供え方、上(輪)がお仏壇、下が自分

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供具団子(くぐだんご)について
 葬儀が終わった後、または初七日忌、二七忌などの逮夜ごと、そして各年忌法要には、祭壇に供具団子をお供えいたします。
 お供えする数、形などは宗旨宗派、またはそれぞれの地方によって様々ですが、清瀧寺でご指導させていただいている一例をご紹介いたします。
◎使用するのは、団子の粉、または米の粉です。
 適量の粉に水を少量混ぜて練ります。硬さは耳たぶくらいを目安とします。
 煮炊きはしないで、生のままお供えします。
◎数は十三個です。
 (逮夜ごとにおいては初七日忌は七個、二七日忌は十四個、三七日忌は二十一個、七七日忌は四十九個という説もあり、またそういう地域、宗旨もありますが当山ではこのように十三個としております。)
◎積み方について
 まず練った粉を十三に取り分け、丸く球体にします。
 内十二個を軽く潰して円盤状にし、四個積み上げたものを三本作ります。
 その三本を三角の状態に並べます。最後十三個目は球体のまま親指、人差し指、中指の三本で軽く摘み、一番上の真ん中におきます。
◎お供えされる時は、紙皿に半紙を敷き、その上にラップを敷いて出来上がった団子を乗せて、祭壇に写真の正面から(四個積み一本が手前、二本が仏様側になるように)お供えします。
◎年忌法要でニ霊以上の供養をされる場合は供養対象となるお墓の数分、団子を用意してください。
 例えば夫婦墓で祀られているニ霊の法事なら一組、別々の墓に祀られている場合は二組、○○家之墓として墓石が一基ならば一組...というふうに。
 この供具団子はお墓参りの際にお墓に持っていって墓前にお供えし、置いたままにします。鳥獣供養(ちょうじゅうくよう)といって実際には食べられないご先祖様の代わりに鳥や獣に食べて貰って、功徳を得るのです。

 供具団子の一例を記載してみました。これはあくまで清瀧寺の流儀ですので、他の地方、宗旨では違う方法かもしれません。それぞれの習慣に従ってお供えされるとよいでしょう。(文:東寺真言宗 清瀧寺 寺報より)


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お施餓鬼(施食会)とは
 お施餓鬼とは文字通り、「餓鬼に施す」という意味で、六道のひとつ餓鬼道に堕ちて苦しんでいる一切の衆生を供養する大切な行事です。
お盆に僧侶が檀家を廻って先祖の供養を行う法要行事の際にはお施餓鬼も同時に行うため、初盆の法要以降のお盆では「お施餓鬼」として行事を行います。お施餓鬼法要や施餓鬼供養と呼ばれます。
施餓鬼は、地域や宗派により異なり、一般的にはお盆の時期に行われることが多いですが、年に二度の彼岸に行われたり、過ごしやすい気候の時期に合わせて行われたりします。