中宮1号墳の出土遺物
中宮1号墳の鉄刀と出土遺物
現在、岡山県が国道53号(津山南道路)改築に伴い発掘調査をしている丘陵の、皿川を挟んだ対岸にも数多くの古墳が知られています。これらの古墳の中で、近年津山市が少しずつ進めている鉄器の保存処置が完了したばかりの「中宮1号墳出土の鉄刀」を中心に、中宮1号墳出土遺物を展示します。
中宮1号墳は、津山市佐良山地区内に広く分布する佐良山古墳群のうちの一基です。
昭和26年(1951)に岡山大学によって発掘調査がおこなわれ、墳丘に円筒埴輪がめぐり、全長23m、円丘部経18mを測る帆立貝形をした前方後円墳であることがわかりました。
円丘部には横穴式石室が、造出部(つくりだしぶ)には小型の竪穴式石室がそれぞれ築かれており、横穴式石室の内部からは、人骨の一部、鉄製の馬具や武器、土製とガラス製の玉、土師器(はじき)、須恵器(すえき)などが出土しました。出土遺物や石室のつくりなどから、古墳の築造時期は6世紀中頃と推定されます。
出土した須恵器
展示品は、横穴式石室内から出土した鉄製の刀、須恵器、玉類です。刀は全て刀身に返りのない直刀で、木製の鞘(さや)に納まっていたようです。直刀D以外の5口を展示しています。
黄色に見えるのは鹿角です。
(文・弥生の里文化センター展示板から抜粋)(2020年1月9日撮影)