碗の中の小宇宙 秘めたる器『曜変天目』

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  2020年01月11日(土)~ 2020年01月26日(日)、 ポートアート&デザイン津山にて「碗の中の小宇宙 秘めたる器『曜変天目』」が開催され大勢の方が訪れていました。
 この作品展は、日本に3点しか存在しない国宝「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」をひたすら追及する陶芸家の鈴木禎三さん(津山市在住)の作品展です。
「器として何か超越している〈もの〉を内包している国宝『曜変天目』におもいをいたすと、人が生み出す〈もの〉には〈いにしえ〉の人なら感じることができるであろう〈心〉〈自然〉がただただそこにはあると思う。まだまだ力不足な自身の『曜変』の天目ではあるが国宝『曜変天目』と少しでもなにか通ずる所を感じてもらえたらと切に思う。鈴木禎三」


鈴木禎三さんのプロフィール
 1974年大阪府堺市生まれ、1994年岡山県備前陶芸センター卒業、1997年青年海外協力隊としてフィリピンに派遣(~2000年)、2002年岡山県津山市に作陶の拠点を築き天目の研究を始める、2014年初個展、2015年JICAシニアボランティアとしてベトナムで陶芸指導。

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青備前布目曲線文壺               花器

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建盞

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曜変天目茶碗:
 12~13世紀、中国・南宋時代に福建省で作られた天目茶碗の一つ。器内部の漆黒面に大小の斑文が浮かび周囲は青や藍の光彩が放たれ、茶碗の最高峰に位置付けられる。完全な状態で残っているのは、静嘉堂文庫美術館(東京)、大徳寺龍光院(京都市)、藤田美術館(大阪市)が所蔵する計3点のみで、いずれも国宝。製法や日本にだけ現存する理由は解明されていない。  

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「天目」解説
 日本で国宝に指定されている天目は五点を数える。
・「曜変天目」静嘉堂文庫美術館蔵・「曜変天目」藤田美術館蔵・「曜変天目」大徳寺龍光院蔵・「油滴天目」東洋陶磁美術館蔵・「玳玻謊散花文天目」相国寺蔵
曜変・油滴・天目という名称は日本で名付けられたものである。
天目は、器の具体的な形状(天目形)及び、釉色(天目釉)を示す語としても用いられる。
「天目形」蛇の目高台(中央を浅く削った、低く小さな高台)、側面からみると漏斗状、口縁部はそのすぐ下部で窄まる鼈口といった条件を有する形。
「天目釉」灰釉に鉄分の混じった黒色、飴色、赤褐色等をおびたもの、または鉄釉の別称。

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数々のマスコミの取材記事です。

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                        広口花器

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大皿  広口花器                陶額「コイ」

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金蘭文茶盌
金蘭文というのは私 鈴木禎三が2015年にJICAのシニアボランティアで派遣されていましたベトナム・キムラン村での活動において生み出されたものです。任期中に金蘭文に赴いたおりに、寺の門に刻まれていた文様にとても感銘を受け作品に活かそうと思い立ちました。そこで門の文様と金蘭(花)をデザイン化したものを組み合わせ生み出しました。その文様を『金蘭文』と銘々しました。
(文:会場内の案内板を転載)(2020年1月26日撮影)