義人堀内氏　頌歌

一、むかし元禄11年　城下にせまる数千人　半切すがたなわの帯　堀内三郎工先頭に

二、村の苦しみ身に背おい　兼田河原に花と散る　義人の心とこしえに　天にもひびけ仰ぎみよ

三、ああ三百年星うつる　芳烈かおる顕彰碑　わが里人に語りつぐ　正義の誇り心意気

発シテハ万朶ノ桜トナリ風雲ハ疑ツテ雨ヲ呼ブ古来郷土ノ艱難二身命ヲ挺シ従容トシテ義二就クモノ蓋シ稀ナリ嗚呼堀内氏ノ壮挙タルヤ元禄一揆ノ精華作州義人ノ先蹤ナリ封建ノ世丘陵相迫リ田野狭ク水利二乏シキ当地方ハ困乏ヲ極メ居タルガ申二元禄十年津山藩主森氏除封サレテ幕邑二帰シ藩領ノ租法六公四民ハ五公五民ト緩和サレ領民ハ稍生気ヲ呈セシモ同十一年正月松平氏入封シテ又租ヲ厳シクセシタメ怨磋ノ声ハ期セズシテ沸キ起リ近郷二不穏ノ気漲ル十一月高倉村大庄屋堀内兄弟ハ遂二座視スル二忍ビズ則チ倡主トナリ比郡ヲ糾合シ軽装二縄ヲ帯トシテ群衆数千ノ先頭二立チ城下二赴キ敢然トシテ軽減ヲ求ム藩ハ驚キテ鎮圧二力ムルト共二一旦偽リ聴許シテ解散セシメシモ固ヨリ容ルベクモナシ尓余ノ庄屋等ハ其ノ懐柔二屈シタルガ最後マデ独リ頑強二窮状ヲ愬ヘシ三郎右衛門及ビ長子平右衛門弟四郎右衛門佐右衛門等八人ヲ捕ヘ翌年三月二十七日兼田河畔二処刑ス惟フニ其ノ悲願ハ後年ノ施政二反映サレテ領民二多大ノ恵沢ヲ遺シ悠久三百年今二及ブマデ芳烈ヲ伝ヘ光芒ヲ放テリ今次地区民相謀リ郷土ノ誇リ精神ノ規範ト仰ギテ高倉ノ地二顕彰ノ碑ヲ建ツ義人ノ霊茲二始メテ瞑スベク盛名永ク赫奕タラン希クハ後人其ノ遺風ヲ宣ベンコトヲ
美作国　治郎丸憲三撰
地区民一同
発起　高倉公民館運営審議委員会
昭和四十七年三月二十七日建之

田中角栄氏が国務大臣だった頃のエピソード
当時の総理大臣だった佐藤栄作氏に書をお願いしようと待っていたら、佐藤総理は超多忙で中々書いてはもらえなかったそうです。その時、丁度となりの席にいた田中角栄氏が「私でよかったら書きましょうか？」と言われ「義民堀内君顕彰碑　国務大臣　田中角栄書」と書いてくれたそうです。

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道を隔てたすぐ近くには忠魂碑もある。