史跡津山城跡 三の丸北側発掘調査現地説明会

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 2018年9月15日津山城跡(鶴山公園)三の丸北側に於いて発掘調査現地説明会がありました。
津山市教育委員会文化課では、史跡津山城跡の整備事業の一環として、通路部分の調査を年次的におこなっています。平成30年度は、二の丸にある裏下門櫓台石垣の構造や、三の丸北側の江戸期の地表面を把握するために発掘調査を実施しました。

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三の丸北側に集合する皆さん           現地説明の箇所です。

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(1)調査区①・② 裏下門は、階下が城門で階上に櫓が載る櫓門です。石垣の孚みがよく解ります。

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調査区①では、裏下門櫓台石垣の天端面の構造を確認しました。

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調査区②では、雁木(石の階段)がみつかりました。

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全国各地から集めて築いたしろ城ではなく、津山城は、津山藩だけで築いたのでこの刻印は何のために記しているか解らないそうです。ちなみに石の裏側や横などにもあるそうです。

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(3)調査区④ 石列と江戸期の地表面、紙櫓西面石垣の基底部を確認しました。

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全ての調査区で瓦や陶磁器の破片が出土しています。             

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(4)調査区⑤・⑥ 調査区⑤では、江戸期の地表面を確認しました。

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調査区⑥では、江戸期の地表面と集石遺構を確認しました。

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出土遺物
全ての調査区で瓦や陶磁器の破片が出土しています。調査区①からは、様々な長さの釘が出土しています。釘は一番短いもので約4cm、長いもので約18cmを測り、長さ約6cm(2寸)のものが多く出土しています。裏下門の建物に使用されていたと推測されますが、建物のどの部分に使用されていたかなど、絵図や文献資料と合せた調査が必要です。これらの遺物については、今後整理をおこなっていきます。

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この崩落現場は、崩落した原因を究明するための調査を行い、その後、復旧の工法等について検討がなされるそうです。

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現地説明会の資料

まとめ
 平成30年度の発掘調査では、三の丸北側の江戸期の地表面や、紙櫓石垣基底部の状況、裏下門櫓台石垣南側の雁木を確認することができました。発掘調査は今後も続きますが、これらの成果については、今後津山城の整備をおこなう上で貴重な情報となるため、記録をおこない保存していきます。
 裏下門櫓台石垣については、石垣の孕が大きく通行の際に安全の確保が難しくなったため、今年度から孕みを解消するための解体修理をおこないます。解体前に現在の石垣の状況を調査し、解体後元の姿に戻すことができるように記録をおこないます。
(文:現地説明会の資料より)