鎧のかかった梅の木
今から420年ばかり前、織田信長の勢いが中国地方に及んできた。当時、この美作では宇喜多勢と毛利勢がいたが、信長の将秀吉の誘いで宇喜多は秀吉側についた。そして、秀吉と宇喜多の毛利攻めが始まった。
神楽尾城には、毛利の武将大蔵甚兵衛尚清が荒神山城をにらみ、荒神山城では、宇喜多の武将花房助兵衛職秀(もとひで)が神楽尾城を攻め落とそうとうかがっいていた。大蔵は真正面から戦っては、勝ち目がないと夜襲を計画したが密偵(スパイ)により先刻察知され荒神城城下に潜入したとき、不意に荒神山城の伏兵に襲われた。不意を突かれた神楽尾勢はなすところを知らず逃げ帰った。各所に潜んでいた荒神山勢は神楽尾城を目指して追撃し、逃げる神楽尾勢を次々と討ち取っていった。ついに、闇に乗じて神楽尾城に潜入し、城に火を放った。かくして、神楽尾城は落城となった。